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第27話 アスモデウスの悩み



転移魔法によりアスモデウスの住む大陸へ移動した魔王。

空気には甘い匂いが混ざっている。

だがこれは当たり前の事。

この大陸には色んな薬屋がある。

それぞれ専門の薬屋があり、どんな症状にも即対応できるようになっているのだ。

だがこの大陸はそれだけではなかった。

主にこの大陸は欲望やストレスを発散させる場所である。

いたる場所にインキュバス、サキュバスがオーナーを務める色んな娼館があり、ここを訪れた者はどんなマニアックなプレイもできるのだ。

殆どの街の建物はラブホテルのような外観である。

だから魔王はタマをつれてきたくなかったのだ。


曰く教育に悪い。



アスモデウスの城は、真っピンクの完全ラブホテルである。

バニーガール姿のウサギの獣人や骸骨メイドが慌ただしく魔王を迎え入れる。


「アスモデウスはどこだ?」


山羊の執事が魔王に言いにくそうに口を開く。


「アスモデウス様は・・ただいまお悩み中なのです」

「悩み?」



魔王は山羊の執事の案内でアスモデウスのいる部屋へ。

部屋のドアを開けると、中央に丸い回転ベッドがあり、そこになまめかしくアスモデウスは寝転んでいた。


「アスモデウスよ」

「・・・・あらぁん・・魔王様・・」

「だらしないぞ。何があった?」

「う・・・・・魔王様ぁん・・・・」


アスモデウスはしくしくと泣き始める。

ペットのサソリが慰めるように寄り添う。


「わらわ・・わらわ・・・もうどうしたらいいのか分かりませんのぉ・・・」

「どうした?」

「薬草が・・・薬草が・・・・」


近頃採れる薬草の数が減ってきているらしい。

また成長や鮮度も悪く、それにより薬の調合ができにくくなり結果的に薬の数が減ってしまったんだとか。


「原因は分かってますのぉん・・!ある奴隷の人間が肥料に劇物を混ぜてしまったんですのよぉん・・・・その所為で土が汚れてしまい、薬草が育ちにくくなってしまったんですのぉん・・・しくしく・・気づくのがもう少し遅れたらそれこそとんでもない事になっていましたわぁん・・」

「その奴隷はどうした?」

「ペットのコケちゃんの餌にしましたわぁん!」


コケちゃんというのは巨大な凶暴ニワトリである。


「土の浄化作業がどうしてもうまくいかなくて・・薬草はどんどん育たなくなるし、薬の数はどんどん減るし、他の大陸へ薬の発送もできなくて・・・もうわらわ、悲しくて悲しくて・・・」

「浄化作業が何故うまくいかない?」

「浄化用の薬の材料が足りないんですのぉん・・」

「薬草か?」

「この薬に使う薬草は何とか・・それ以外にどうしても必要な物がありますのぉん・・」

「何だ?」


アスモデウスは本棚から分厚い本を出した。

様々な薬品調合が記された本だ。

その中の一ページを魔王に見せる。


「どうしても必要不可欠なもの・・人間・・10代の少女の処女の血ですわん」


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