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第25話 ベルフェゴールさんはできる悪魔さんだった



「んー・・シルヴィアってメイドは、適当に枕を選んじゃったのがやっぱり原因ですね・・となると・・・」


ベルフェゴールさん、寝そべったままかりかりと紙に何か書き始める。

散々匂いかがれたけど、ようやくやる気を出してくれたらしい。


「シルヴィアの特徴・・骨格・・好み・・」


魔王様から聞いたシルヴィアさん情報をぶつぶつ呟くベルフェゴールさん。

な、何か仕事できる男に見えてきた・・!


「・・・・んー、よしできた。フェニ、これを工場に回して~」


くええーとフェニックスがベルフェゴールさんから紙を咥えて、窓から飛び立った。

工場?


「あとは寝て待つだけ~」


そう言うとベルフェゴールさんは熟睡した。

てか早!!

え、寝ちゃった!?

さっき見直したの後悔!!


「魔王様・・大丈夫なんですか・・?」

「こいつはいつもこうだ。気にするな」


いつもなんだ。

魔王様の前で寝ちゃうなんて・・考えてみると大物かも。



30分後。

骸骨メイドさんが運んできてくれたお茶を飲んでると、フェニックスさんが背中に何か箱を乗せて帰ってきた。

同時にベルフェゴールさんも目を覚ます。

体内に目覚まし時計でもあるんだろうか・・?



「はーいできましたー。シルヴィア専用の枕ー」

「はや!!!?」


箱の中は本当に枕が入っていた。

見るからにふっかふか柔らかそうな高級感ある枕だ。


「シルヴィアってメイドの特徴を元に作ったからこれで眠れると思うよー」


情報だけでシルヴィアさん専用の枕ができるなんて・・。

ベルフェゴールさんって凄いのかめんどくさがりなのか寝坊助なのか分かんないな。


「でもこれでシルヴィアさんの不眠が治るんですね」

「ベルフェゴールの言葉なら間違いはない」


魔王様のお墨付きか。

なら安心かも。


「ありがとうございますベルフェゴールさん!」

「・・どーいたしまして~」




お城に帰って、私は早速枕をシルヴィアさんに渡した。

シルヴィアさん、凄い滝の涙を流して感激してくれた。

凄いな、漫画みたいな滝の涙初めて見たよ。

生涯大切にします!だって。

何か嬉しいなぁ。


「壁に飾って大切にします!」

「いや使おうよ」





「マモーン」

「おや、ベルフェゴール。珍しいですね貴方が自ら動いて連絡してくるなんて」

「ちょっと頼みがあるー」

「益々珍しい・・何ですか?」

「タマ様のー、人形って作れる?」

「・・・・・・・そういう事ですか・・女嫌いの貴方がねぇ・・・」

「作ってくれたらー、新しいベッドあげる」

「それはそれは。ちょうど新調したかったところです。良いでしょう、引き受けました」

「やったー」

「(ベルフェゴールを落とすとは・・タマ様、中々やりますね・・)」


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