表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/33

第20話 魔王の怒り

長くなるといいながら、今回も短めですすいません・・




「え、何これ?ホラーの世界?」


目を覚ますと、そこはまるでゴシック世界だった。

まず私が寝かされていたのは、黒いレースのカーテンがかかったベッド。

そこから降りて部屋の中を見渡す。

人形だらけだ。

女の子の、人形しかない。

全部ゴスロリ服を着ている。

うわっ天井からも人形がぶら下がってる。

もうホラーでしかないんですけど!!


「ここどこ・・・?」


確か部屋で水やりをしてて・・・その後、どうなったんだ?


「突然の無礼、許してくださいませタマ様」

「うわあああ!!!!」


背後からの突然の声に、悲鳴を上げた。

びっくりした!!

心臓が口から出るほど驚くってこういう事を言うんだな!!

本当に口から出るかと思ったよ!

あれ、この人確か七つの大罪の・・。


「マモン、さん・・?」

「覚えていてくれたのですねタマ様」


ペストマスクのせいで、相変わらず表情がよく分からない。

この人が私をここに連れてきたの、かな?


「あ、あの・・ここは?」

「ここは私の城の中でございます。はっきり申し上げますと、私は貴方を誘拐したのです」


は?

誘拐?

な、何かとんでもない事をさらっと言わなかったかこの人!?


「え、は?」

「ああ、困惑するのも無理ないですよね。しかしご安心くださいタマ様。誘拐したと言っても貴方に危害をくわえるつもりは全くありませんので。ただ・・・」


マモンさんは、私の右手を取って頬ずりしてきた。

ぞわっと背中が寒くなる。


「少しばかり、私のお相手をしてほしいのです」


にっこり吊り上がる口元。

分かる。


この人は、やばい。






「タマはどこだ!!?」


魔王がマモンの城の分厚い扉を破壊して、マモンの姿を探した。

扉には魔王は一切触れていない。

沸き上がる怒りの余波のみで、扉を跡形もなく破壊したのだ。

誰もが見ても分かるほど、魔王は怒りに満ちていた。


タマが姿を消した。

部屋に残された魔力の痕跡。

それがマモンのものだと察すると同時に、魔王はすぐさま転移魔法でマモンの住む城の前に降り立った。

マモンの部下達は魔王の怒りを感じて、恐怖に震えている。


「おいっマモンはどこにいる!??」


ゴシック調のベストを纏うゴブリン達に怒鳴る魔王。

ゴブリン達は恐る恐る、ある方角を指差す。

そこはマモンの部屋に続く廊下。


魔王は今にも殺しかねない勢いでマモンの部屋へ向かう。

ゴブリンや、キツネの姿をした部下達は、マモンの命令で誰も部屋に近づけぬよう言われていた。

しかし魔王の命令には絶対逆らえない。

あれほど怒りに染まった魔王は見た事がなかった。



「マモン・・よくも私のタマを・・・!この手で八つ裂きにしてくれる・・・!!」


マモンの部屋の前にたどり着く。

部屋の前には針鼠姿のマモンの部下がいたけれど、彼らを無視しして部屋の扉を破壊した。


「マモン!!!!!」


室内に入り、魔王は目を見開く。

魔王が見たものは。



「魔王、様?」


シンプルめなゴシックロリータ服を纏ったタマと、それを撮影しているマモンの姿であった。


閲覧ありがとうございます!

評価やブクマしていただけると、大変励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ