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赤の12番で君を待つ  作者: ナナセ。
2/4

2nd

***

2

「……くん、…のるくん、稔くん、起きて!」

稔はなんだか懐かしい声で目を覚ます。

自分を起こしたのは目の前にいる彼女らしい。

寝ぼけ眼ながらも彼女を見る。

白いワンピースを着た黒髪の美少女。

歳は……高校生くらいだろうか。

「君、どうしてこんなところに?」

「何寝ぼけてるの、稔くん!それはこっちのセリフだよ!?」

彼女とは初対面のはずで、名前を教えた覚えはない。

なのになぜ彼女は自分の名前を知っている?

稔は少しずつ覚めていく頭で考える。

まあ、もともと考えるのは少し苦手なのだが。

「はぁ、とりあえず送ってくよ。君、家はどこ?」

「寝ぼけるのもいい加減にして!」

彼女の瞳は真剣そのもので、嘘をついているようには見えない。

寝ぼけてる?自分が?

「確かに今起きたのは事実だけども……」

発言途中で、彼女は稔の頭を横に向かせる。

そこで稔は一気に目が覚める。

「なっ……なっ!?」

目の前に広がっているはずのすすき畑はどこにもなく、夜に輝くネオン街が目線いっぱいに広がっていた。

さびて使えるはずのない観覧車は何故か動いていて、見える景色をゆっくりと変えていく。

「ここは稔くんが来ていいところじゃない」

驚きが隠せない中、彼女に視線をやる。

「ここは……?そして君は……?」

彼女は目を驚いたように見開いたが、それは一瞬。

次の瞬間には呆れた顔に変わっていた。

「はああああああああああああ」

そして長い長いため息をついた。

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