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ライブ後

「今日のライブ、すごかったね!」

 もう何回その言葉を耳にしただろう。衣奈の目はライブが終わってもキラキラし続けていた。対象が俺じゃなくても、罪悪感は湧きあがってくるのか。というか、キラキラした状態そのものが拒絶対象なんじゃ......。

「あんな近くから萌さんを見ること出来るなんてー! あー! 後は洵との挙式と子供の顔見れたら思い残すことないよ! もう!」

 そう言いながら思いっきり肩を叩いてきた。力はそれほど強くないが、心の中で衣奈の言葉にひどく怯えていた。挙式? 子供? 衣奈本当に19歳だよな? ほかなら、『お前、そんなことで人生終わっていいのかよ?』とか、『大げさだな!』とか言うと思うけど、衣奈に限れば恐怖以外の何も感じない。かつて恐怖政治下の民衆はこのような思いをしていたのかと痛感するほど怖い。

「ごめん、まだ交際とかもしてなし」

「いいじゃん! 交際期間0でも結婚した人なんて探せば絶対いるし」

 特殊例だろ、それ・・・。後々の離婚率絶対高い。

「あれ~? 洵くん? 洵くんだよねー?」

 後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。何やっているんだよ、この人は。

「モカさんですよね? ライブ終わったら、なんかいつも報道関係の取材があるんじゃ......」

「ああ、あれ? あれはね~、はっきり言ってしまえば、新楽くん避け。半分はそうだけど、頻繁にあるわけじゃないし」

 あの人、モカさんに嫌われていたのか!? 意外だな、店で楽しげに話しているだけに。

「だって、二人きりだと、緊張しちゃって何話していいかわからないし、それに万一のことがあったら怖いじゃない! 一応芸能人なんだし」

 ......、嫌われてはないようだな。

「あ、ぶ、ふえ!? え? モカ?本物のモカさん!?」

 やべーな、衣奈が混乱している。ここで盛大に混乱してしまうと、人目を集めややこしい事態になりかねない。場所を変えよう。

「まあ、立ち話もなんなんで、『ふりー』にでもどうです?」

 行くと言わんばかりの笑顔を見せ、大声を発し場を去っていく。方向音痴治っているかな?

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