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恋→ライブ

 月が戻ってきて、一週間。ここのケーキが美味しいと口コミで広まったらしく、次から次へと客が湧き出てくる。中味を知っているから言えるけど、よくこんな得体の知れないもの食べられるな。

「おい、月。お前メニューにはなんて載せている?」

「ニイラクノミケーキ」

 ......。

「ほら、こういうのって最初に発見した人が名前つけられるっていうじゃん。だから自分の名前を入れた」

 今は学会に新種と認められた場合だったと思うぞ? 学会に無縁なお前が名前つけられるか普通!

「そういえばお前と衣奈ちゃん、もうくっついたの?」

「お前は何を言いたい?」

「もうチューでもしたの?」

 ハードル上がってないか?

「そういうお前はどうなんだ、月」

「知っているだろうが! 俺はモカちゃん一筋だ」

 ああ、そうだったな。こいつ前任のバリスタにゾッコンだったみたいだし。

「モカさんって誰ですか?」

「そう言えば、衣奈は知らないか。いま人気上昇中の西条萌のこと。メジャーデビュー前はここでバリスタ勤務で生計を立てていたらしい」

 驚きと奇声を発しながら、キッチンでドタバタしている。そんな意外なことか?

「ライブやロケで近場に来た時には寄っているけど、最近来ないな」

「あっちはあっちで忙しいんだろうよ」

 芸能活動は多忙だとも聞くし、一地方にそんな頻繁に来るわけじゃないだろ。

「モカから手紙来ているよー。ライブのチケット同封されて」

 イヴさんの声に月と衣奈が反応する。恐らくあいつらの目はいま今年一番目を輝かせているだろう。

「チケットが四枚......。みんなでいけますね!」

 な、なんだと......。みんなでいける?そんなうるさいところ行きたくない。一人だけそれが理由で行かないとかイヤだ!

「あー、私パス」

 よし、イヴさんもこういう類は苦手なのか、これを口実に―。

「その日銀行の融資やら、株主総会やらパーティーやらで忙しいのよ」

 あー! 仕事の類で断ってきあがった!

「舞にでも、私の分まわしといて」

「誰だそれ」

 何故ここで姉さん出す?

「クルヤの姉だ」

 月と衣奈が驚愕の事実でも知ったような顔を見せる。それほど驚愕することでもないんだが・・・。

「洵! なんで黙っていたの! 私には何も隠していないと思っていたのに」

 昼ドラで浮気を知ってしまった妻のような表情をしている。ごめん、俺目がキラキラした衣奈本当にダメだわ。罪悪感がこみ上げてくる。

「お前......、姉いたのかよ!」

 んー、そこで驚くかな普通? てか君は記憶を失ってるのかな?

「姉さんは今フランスで修行中ですので無理かと思いますけど」

 少し困った顔して、イヴさんが出した決断は―。

「姪っ子にあげようかな?」

 皆唖然。イヴさんいくつだっけ? てか、姪っ子いくつ?それ以前に親戚と関わりあるの?

「イヴさん、いくつですか......?」

「女性に年を聞くとは失礼だな。27だぞ」

 失礼と言いつつ、答えるのかよ! そこから考えるとせいぜい小学校ぐらいかな?

「今年は高校受験だけど、まー息抜きってことにして」

 え!? 中3!? イヴさんが12歳の時に生まれたことだから......、少なくとも4つ年上の兄妹なのか? あ、まだ有り得るな。

「席が2つ2つで分かれているから、相談して決めてねー」

 さて、どう断ろうか?

「あー、そうそうクルヤ」

 イヴさんが耳打ちするようにこう言った。

「もし、行っていないって分かったら、今月分の給料全額カットだからね」

 やばい、寒気がしてきた。え? 行きたくないオーラでも出てた? 二人はそんな俺をよそにネットで席位置を確認している。ライブ前日に月が持ってきた木の花粉吸い込もうかな?

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