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お題:初デート 罠 パジャマ

今回、テーマを恋愛じゃなくてツンデレでいいよと言われました。

コノヤロー、このお題なら恋愛ものにせざるおえないだろうと思っていやがるな。

こうなったら嫌でも恋愛ものなんて書いてやらんぞ。

 さて、今現在俺はクラスメートの咲と共に、同じくクラスメイトの創太を絶賛尾行中である。

 唐突な状況である。

 この状況を説明するためには一昨日の金曜日、学校での出来事まで戻らなければならない。



「彼女が出来たぁ!?」

 今のは俺の絶叫であるが、原因は朝授業が始まるより先に言い放った爆弾発言「彼女ができた」である。

「そ。でさ、今週の日曜日に初デートをするんだ」

 こいつは、俺に喧嘩を売りに来たのだろうか。

 ええい、リア充爆発しろ。といつもなら殺意の視線を送って差し上げるところだが、今回は少し違う。

「そうか、それじゃあ最近オープンした遊園地なんてどうだ? 初デートにはいいと思うが」

「おお、そうだな。じゃあそうしよう」

 すると、隣にいた咲が驚いた顔をして俺を見る。

「珍しいわね、悟。いつもならカップルを見るたびに死ねとばかりに睨みつけているのに」

「ば、ばか。友人の幸福を祝ってやれないで何が友人だよ」

「ふーん」

 咲が疑るかのような目で見てくる。

 く、鋭いやつめ。



「で、今現在に至るというわけだ」

「悟、誰と話しているの」

「いや、ここより一次元上の存在というかなんというか」

「へー電波なんだ」

 電波言うな。

「それにしてもどうして遊園地に行くように言ったの?」

「それはだなぁ。映画とかだと気づかれないように近づくのが難しく、水族館などと比べて遊園地ならばどんなハプニングが起きてもたいていのことは自己的に解釈して納得してくれるためバレにくいというわけだ」

「……へー」

 心底どうでもいいという顔をされてしまった。

「というかなんで咲はついてきたのさ」

「え、あ、なんでって……」

「まあ心配なのはわかるけどさ」

「べ、別に悟の心配なんて――――」

「俺? 創太ではなく?」

「え?」

「いや? 俺が創太に何するのか心配できたんじゃ」

「そ、そうそう。そうなのよ! 悟が創太に何しでかすかが心配でついてきたのよ。うん、それ以外には特に理由はないわ」

「そ、そうか」

 妙に必死な咲であった。

 何かあったのだろうか?



「まあ、話を戻すとして。別にそんなひどいことはしねぇよ。せいぜい彼女の前で大恥をかいてもらうだけだ」

「……いや、それは十二分に酷いと思うけど」

 そんなことはない。

 関係性をぶち壊さず恥だけですまそうなんて、えらく良心的ではないか。

「で、具体的にはなにをやるの?」

「まだ特に考えてない」

「……無いんだ」

 無いのである。

「ま、奴らがどういう経路を進むのかわからないんだから対策を立てていても仕方ないだろう。とりあえず行くぞ」



「目標。アルファーとブラボー、お化け屋敷に入るらしいですどうぞ」

「……なにそのαとかって」

「目標の呼称だ。AとかBとかだと、BとEとかが区別付けづらいだろう?」

「アー、べー、ツェーでやればいいじゃん」

 そういう問題ではないのだ。

 これまで創太と創太の彼女は度々、いろいろな場所へ行ったがそのいずれもがジェットコースターだのメリーゴーランドだの乗り物系だったので手が出せなかったのだ。

「だが、お化け屋敷ならば手が出せる!」

「……まあ、頑張りなさい」



「で、何をするの?」

「遊園地と言ったらお化け屋敷だろうと思ってこんな物を用意した」

 俺はそう言って折りたたみ式の釣り竿と、その先に取り付けたスポンジをバッグから取り出した。

「さあ、思う存分絶叫してもらおうか!」

 えいや、とばかりに釣り竿を振るう。

 そしてスポンジはそれと同時に創太たちの方向へ向かい、一直線に――――


――――創太の彼女の首筋に当たった。


 あるぅえ? おかしいな。

 創太の彼女が悲鳴をあげて創太に抱きついている。なんかとてもいい雰囲気なんですが。

「…………何やってんのよ、あんた」

「ち、違うよ? 今のは友人へのサービス精神だよ。うん! 邪魔するだけじゃ悪いからね」

「あっそ」



 お化け屋敷を出た彼女がトイレに行きたいと言い、彼女をトイレに行かせると創太はお土産ショップに入る。

 どうやら創太は彼女にプレゼントを買うつもりらしい。

「お次はプレゼントの中身すり替え大作戦だ」

「何それ」

「見てろー。 やつのお土産とこれを隙を見て入れ替えてやる」

 そう言って俺はこの遊園地のマスコットがデカデカとプリントされたパジャマを手に取り、レジへ持っていく。

 するとそのチャンスがやってきた。創太が足元に荷物を置き、メールを打ち始めたのだ。

 その隙を突き、プレゼントのすり替えに成功した。

 すり替え終わり、しばらくすると俺の携帯電話にメールが届いた。どうやら創太がメールを打っていた相手はどうやら俺だったらしい。

 曰く『今のところスッゲーうまくいってる。遊園地は成功だった』だそうだ。

「おのれ創太! だが、それもここまでだ。プレゼントの中身が摩り替わっていることに気づいた頃にはもう手遅れだ!」



 さて結果から言うとこの作戦も失敗だった。

 彼女がすり替えられたプレゼントに喜んだのだ。

「な、なぜだ」

「こういうのって彼氏から貰ったものならたいていのものは嬉しいと思うけど」

「……そういうもん?」

「そういうもん」

「咲も?」

「え!? べ、別に私は――」

 くそう、どうしてこううまくいかんのだ。

 この後も、俺の作戦はことごとく失敗し、創太は夕日をバックに大観覧車でデートを占めたのだった。



 次の日。

 つまりは月曜日、学校。

「サンキューな、悟」

「……なんのことだ」

「いや、なんか陰で色々とフォローしてくれてただろ。プレゼントの好みなんてよく知ってたな。俺すら知らなかったのに」

「…………」

「いやー、俺も良い友達を持ったもんだ」

「チクショー!」

 これが、リア充爆発を願う俺が一日中奔走した物語の顛末だった。


うむ、結局グダグダになってしまった。

このまま僕の小説はいったいどこへと進んでゆくのだろうか。

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