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「おーい!桜井シュンスケー!」
ミーン ミーン … ミーン ミーン
まだ7月に入ったばかりだと言うのにこの暑さ
アスファルトに反射する日光と降りしきる日光の板挟みだ
街行く人々が陽炎に揺らいで見える
「桜井シュンスケー!おーい!」
何やら交差点の向かい側から こちらに向かって手を降る人物がいる
眩しさに目を細め 視線をそちらに移す
「こらー!桜井シュンスケってばー!聞こてるだろーっ!」
「…あ」
綺麗な栗色に染められた肩までの髪
左側に流した前髪を白色のお花のピンで留めている
ばっちりとした瞳に きゅっと上がった口元
透明なほど色白で 頼れそうとは言えない腕
紺ソックスを履いたセーラー服姿の女の子が 小さい体で 精一杯手を降っている