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なろうラジオ大賞 投稿作品

プレゼントはギフトカードでいいって言ったよね?

作者: 潮海うみ
掲載日:2025/12/05


 

 俺はプレゼント選びの才能がないらしい。

 真由子とは付き合って五年。

 毎年、付き合い始めた記念日にお互いプレゼントを交換してきたのだが……どうも毎回微妙な反応をされてしまう。


 一年目の記念日。

 真由子は手編みのマフラーをくれた。

 俺は、商売繁盛を願って『金色の招き猫』を贈った。なんと彼女の名前入りだ。俺的には渾身のプレゼントだったのだが。

 

「えっと、啓くん。ふざけてる?……いや、ふざけてないのか。なるほど。ありがとう」

 彼女は苦笑い。明らかに気を遣っていた。


 そして二年目。

 真由子はブランドのハンカチをくれた。

 俺は去年の失敗を挽回するため、真由子が今一番必要なものをリサーチした。

 俺が贈ったのは『テティちゃん柄のカーテン』だ。

 どうだ! 真由子、テティちゃん好きだろ?

 

「え、カーテン?! いや買い替えたいとは言ったけどね!? 部屋の中で他の家具と色で殴り合ってるよ!」

 ……確かに。カーテンのせいで部屋の統一感がなくなった。もっと無難な柄にすべきだったな。



 そして三年目。

 真由子はシックな名刺入れ。

 俺は考えすぎて分からなくなった。結局『タオルセット』を渡した。これなら間違いないと思ったのだが。

 

「タオル?! 急にお歳暮?! いや、タオルはなんぼあってもいいけど……この流れでタオル?!」

 しまった。無難すぎたか……。

 

 そして四年目。

 真由子は国産メーカーの腕時計。落ち着いていて上品だ。

 俺はもう迷わない。考えすぎて普通なものを選んだりなんてしない。

 

 俺は『俺の等身大アクリルスタンド』を贈った。

 笑顔で親指を立てている、爽やかさ満点のやつだ。どうだ!


「やっば……!」

 真由子は爆笑したのち、部屋の隅に飾ってくれた。

 大成功か!? そう思ったのも束の間。

 

「……言いにくいんだけどさ、もうプレゼント交換やめない?」

「なっなんでだよ!」

「だって毎回大変そうだし」

「いやだ! これが楽しみなんだ」

「そうなの? じゃあ来年はギフトカードでいいからね」


 そんな……。

 俺は真由子にプレゼントを選ぶ時間が幸せなのに。


 

 そして今年。

 俺は真由子のリクエストを無視して『婚約指輪』を渡した。

 

 真由子の目が大きく見開く。

「啓くん……!」

 感動の瞬間。

 間違いなく、今年のプレゼントは大成功だ。

 


「サイズ合わない」

「えっ」

 指輪は真由子の第一関節で止まっている。

「一緒に交換しに行こっか?」

「そんなあ!!」

 

 真由子は呆れたように笑ってた。

 やっぱり俺はプレゼントを選ぶ才能がないらしい。



(終)




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