54. まるごとなアイツ
主張も心意気もない日々感じた事柄についてのエッセイ、というか駄弁りです。
視聴番組のCM中にでも見れる(読める)程度の時間と内容を想定してます。
いつでもどこからでもどーぞ。
ご注意: 口語的語りとしていますので“い”抜き、“ら”抜きはご容赦くださいね。
【日くらし】
54. まるごとなアイツ
子供の頃、初めて食べた“まるごとバナナ”の衝撃は今でも忘れられません。
スポンジケーキに生クリームとバナナ、まあ美味しい要素しかないわけですが、これらが組み合わされた時の完全なる調和の妙。足し算でなく掛け算になるものこそ本当の料理やスイーツと呼べるのではないかと改めて思い知らされる一品です。
正直以降の人生でそれ以上のモノに出会った事がありません。(浅い人生だなぁ)
中学生くらいの頃、“まるごとバナナを思う存分食べたい!”と思った私は自宅でスポンジケーキを焼き、ホイップクリームを作って
“一人春のまるごとバナナ祭り”を開催しました(どこかの大食い主婦YouTuberみたい)が想像より美味しくないわ、人生初の胸やけやらで散々な目にあいました。
大人になりますと、カロリー的なハードルによってすっかり疎遠になってしまい、
「もうアイツと会う事もないんだろうな……(こんなに好きなのに…)」
と思い出を憂う日々。
そんな感じで寂しい記憶もようやく薄れかけたある日、コンビニで会計待ちの列に並んでおりましたら
視界に【まるごとバナナ ミニ】なる商品が飛び込んできました。
驚きました、こんな画期的な商品、いずこの天才が考えつくものなのかと。
正に神の啓示、これならカロリーも罪悪感も50%オフです。
食べてみた感想ですが「…… 足りん」でした。
そもそも“まるごと”でもなくなってますし……。
この年になってサッちゃんの口惜しさが実感できるとは思いませんでしたね。
ではまた




