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勇者へこみちの覇道  作者: 弐屋 中二


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気がする

全裸の5人から囲まれて見つめられたブルー王が固まっていると、初代へこみちが

「飛びながら回転するメルルーンを倒さなければならない気がする」

天使ポエミーが

「そして全てのパーフェクトトライアングルを壊滅させなければならない気がするのよ」

ゲーチェポエミーが

「歴史を人類の手に取り戻す必要がある気がするのよ」

自称メローが

「魔物も救わねばならない気がするのじゃ」

そして二代目へこみちが胸と股を手で隠しながら

「キャ……キャットランドも蘇らせたいです」

「それはない」

「それはないのよ」

「それだけはないのよ」

「タピオカの里として復興させるのじゃ」

「……はい……すいませんでした」

ブルー王はどうにか咳払いをすると

「……そ、そうか……わが国にもパーフェクトトライアングルが出来て迷惑していたのだ、とうとう来るべき時がきたようだな」

初代へこみちは真顔で

「お前なら何か知っているはずだ」

ブルー王は苦笑いしながら

「お前呼ばわりはやめろ。へこみち、そなたの母を訪ねるが良い」

五人は頷いた。


五人は人目も気にせずに、止めようとする警官や兵士は薙ぎ払い全裸で大通りを通っていく。そして横道に入り小汚い路地裏に建っているボロボロの小屋の扉を開けた。


中ではへこみちの痩せた母親が床に座ってムシロを編んでいた。

初代へこみちを見るとため息を吐いて

「とうとう出生の秘密を語るときがきたか」

悟った表情で呟いた。


それから五人は全裸で立ったまま、ムシロを編む母親の話を聞かされることとなった。

長いのでまとめると


オフェテガという父親が二十年前に魔王を倒すために旅立った。その二年後に生まれたのが初代へこみちである。オフェテガは勇者の血筋を持つもので、息子であるへこみちに伝説の剣を残した。母親である私は賢者の血筋で、勇者と賢者の血筋の初代へこみちは生まれながらの勇者である。


「というのは全部ウソだけどね」

母親は1時間語った後にそう言った。初代へこみちはウンウンと頷いて

「父親が失踪して二年後に俺が生まれたのだけは本当だよな」

「そうよ。あなたは父さんの忘れ形見よ」

二代目へこみちがつい

「あ、あの……1年後ならわかるんですけど、2年後ってつまり別の男性との……」

言ってしまうと、ポエミーたちと自称メローに外へと連れ出され、激しく説教され始めた。


初代へこみちは全裸のまま腕を組み、ムシロを編む母親を偉そうに見下ろし

「メルルーンを倒すための策をくれ」

母親は大きく息を吐くと

「あのデリカシーのない猫耳モンスターの尻に武器を挟んで360度回転させればいいのでは?」

投げやりにそう言った。

初代へこみちはカッと両目を見開き

「それだ!さすが母さん!」

と言うと扉を開けて外へ飛び出した。

「行きなさい。勇者へこみち」

それっぽく言った母親はまたムシロを編み始める。


そこからは特訓の始まりだった。

二代目へこみちの尻に魔王将の盾だけではなく、血塗られた棍棒も挟んだら威力2倍じゃね?と気付いた初代へこみちの提案により、二代目へこみちは二つの武器を尻に挟んで自在に使えるようになるまで過酷なトレーニングを他の4人から課せられた。


メロンソーダを飲みながら浜辺のビーチチェアに4人が寝そべっている近くで、二代目へこみちは砂浜で尻に武器と盾を挟んで、シャトルランを繰り返す。そんな過酷な5人での特訓が行われた。


そして3週間の時が過ぎた……!


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