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勇者へこみちの覇道  作者: 弐屋 丑二


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へこみちボンバー

深夜の川へと戻ったメルルーンは自らの身体が完全に元に戻っていることに気付く。

彼女は小屋へと足早に戻っていき、テーブルに突っ伏したまま、大量のアリにたかられているポエミーや二代目へこみち、自称メローの遺体に手を合わせつつ、小屋の奥の部屋から服を取り出し着て、金と金目のものをかき集めて布袋に詰めると、小屋から出てジャングルの北を目指す。


1週間ほどかけてメルルーンはタピオカの里、旧キャットランド王国にたどり着いた。

祖国はもはや完全に荒廃していた。

ゾンビのような薬物中毒者が街中に立っていたり這い回り、壁の落書きには

「外国人労働者に◯を!」

「この国を悪の組織から救うのだ!」

「たぴおっかーん!たたたぴおかー」

「タピオカ教に入信しませんか?」

などと怖い文言が並んでいた。


メルルーンは宮殿を目指してたどり着くとその場に崩れ落ちた。

宮殿の豪華な建物は居抜されてカジノになっていた。元城壁だった壁には物乞いが並び、男女の薬物中毒者が倒れ込んでいた。


メルルーンはしばらくすると立ち上がり、決意した表情で

「この国をタピオカで救うしかない」

と呟いた。その次の瞬間には真っ白な光がメルルーンを包みこんだ。



またメルルーンは白い世界に居た。

なぜかまた全裸である。

今度は目の前にボタンは無い。響き渡る声が


タピオカから離れろ。俺があげたスキルがあるだろ……。


呆れた声で言ってくるがメルルーンはイラッっとした様子で

「神様、1枚のティッシュを3回使えても節約にしかなりません!」

抗議する。


わかっていないな……ティッシュを無駄無く使うことによってエコ精神が身につく。そしてエコ精神を極限まで高めると、全ての無駄を省いた動きができるんだぞ?

空気の流れすら読めるんだ。


メルルーンは更にイラッとした様子になり

「それ何年かかるんですか!?あとなんで裸なんですか!?」


裸なのは仕様だ。俺がやる気でないだろ。察しろ。スキルの件は分かった分かった。つまらんけど当たりスキルをやろう。

帰ったら「へこみちボンバー」と唱えてみろ。スカッとするぞ。


こいつホントに神か?ただの頭の悪い変態では?という表情をメルルーンはしながら光と共に消えた。



……



いつの間にか元の場所に戻ってきていたメルルーンは服を着ていることにホッとしつつ、カジノになった宮殿にイライラしながら

「へこみちボンバー!!!」

つい叫んでしまった。

次の瞬間、辺りは猛烈な爆裂に包まれていき、十秒後には見渡す限り更地になっていた。人もカジノも街も何もなかった。

メルルーンはその場に崩れ落ちる。

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