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勇者へこみちの覇道  作者: 弐屋 中二


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トロミ剤によって全身がヌルヌルになったうさぎめん

変態永久機の上から高級ワインに溶かしたトロミ剤を延々とかけていたゲーチェポエミーが、急に何かに気付いた顔でポケットから取り出した棒状のボタンの大量についたスティ゙ックを操作し始めた。

へこみちが

「そ、それ扉開閉用の魔法力リモコンですよね?」

「そうなのよ、とうとうきたのよ」

トロミ剤でドロドロの変態永久機関は放置してポエミーは駆け出した。へこみちも首をかしげながらついていく。


宮殿の閉められた正面門の上から外に広がっている光景にへこみちは真っ青になった。

そこには街を埋め尽くす何万人という猫耳族のデモ隊が宮殿に向かって

「偽の王は出ていけー!」

「キャットランド万歳ー!」

「侵略者は帰れー!」

と叫んでいた。


青ざめるへこみちの横でポエミーはニヤリと笑って

「所詮は、ドラゴンと勇者が去ったのを確認してやってきた卑怯な弱者の集まり、烏合の衆なのよ」

「でっ、でも!このままじゃ門が破られますよ!」

「首相の出番なのよ」

ポエミーは不敵に笑う。


十分後


トロミ剤によって全身がヌルヌルになったうさぎめんが、魔法力で動く拡声マイクを持って正面門の上に立っていた。彼女は大きく息を吸い込むと

「国民の皆様、うさぎめんでございます。この度、キャットランド改め、タピオカの里の首相に選出されました」

完全に頭がおかしいことを言っているが、妙に説得力のある声と、近くにポエミーが元師団長たちに運ばせて設置した、魔法力で動く巨大アンプから流される不気味な低音でデモ隊は黙り込んでしまう。

「このうさぎめん、誠心誠意国民の皆様に尽くします!まずはタピオカパンの値段を40ヴィラから20ヴィラまで安くします!」

デモ隊がざわつき始めた。

「国家が備蓄しているタピオカ二百グラムの無制限の緊急放出を行います!それが尽きたら他国から無制限の輸入も検討しています!」

近くで聞いていたへこみちが絶望的な表情でその場に座り込むとポンッとポエミーがその肩を叩きニコッと笑う。

更にうさぎめんは真剣な声で

「タピオカが絶えていたこの国をタピオカによって復活させます!タピオカ輸出大国としてタピオカの木々が地平線の先まで広がるタピオカ輸出大国に皆様としていきます!タピオカによって国を富まそうではないですか!どうか皆様の清き一票を私に!」

いきなりデモ隊から雄叫びが上がり

「うさぎめーん!お前が新たな王だー!」

「うさぎめーん!タピオカ農家に俺はなる!」

「タピオカの里ばんざーい!キャットランドなんて最初からなかったんや!」

「うさぎめん!結婚してくれー!」

へこみちがポツリと

「うちの国民……アホだったんだ……」

と呟いてポエミーがニコリと笑うと

「政治なんてこんなものなのよ」

知ったような口を聞いて、余計へこみちを凹ませていた。

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