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勇者へこみちの覇道  作者: 弐屋 丑二


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クソ雑魚ナメクジミノムシ

「名君……?魔王が……!?」

啞然とした顔の2代目へこみちにメルルーンは微笑んで

「魔王様は先ず、降伏した我が国の全てを許したわ。あなたの父である王ですら許された」

「お父様……」

「さらに税制改革を断行したのよ。国民の税金が適切に国民に流れるよう、天下り団体による中抜き行為を禁止して、民間の問屋も二次までにしたわ、派遣業者も特殊技能のみに絞って、ほぼ禁止したのよ」

「……よ、よくわからないですけど」

「そして、働いていない貴族たちには文化的な創作産業に従事させたのよ。障がいを持つ者たちにも手厚い保護をして、老人にも多数の福祉サービスを安価に提供したわ」

「そ、そうですか……」

「複雑な税金も分かりやすく整備し直したわ。徴税の手間を省いたのよ」

「……うう、お父さまとお母様は……」

「王として喜んで魔王様に協力しているわ」

へこみちが凹んでいると、いきなり赤毛の老王が

「喝!喝だ!」

牢屋に向けて大声を上げる。


驚いたへこみちたちがそちらを見ると老王はギラギラした目つきで

「ファシストたちは一見政治が上手いのだ!なぜか!?彼らは税金を集める目的があるからだ!戦争と言う目的だ!本当の名君ならば他国を侵略しようなどと思わん!馬鹿たれが!目を覚ませ!」

へこみちは混乱した顔で

「でっでも……国民は……」

「政治の本質は失策だ!間違えながらも、皆の意見を聞きながら改善を未来永劫続けるのが政治じゃ!魔王一人が上から好き勝手改善して上手くいくわけがなかろうが!馬鹿たれが!一見上手くいっているように見えても必ず泣いているものが大量におる!」

老王の迫力にへこみちたちが気圧されているとポエミーがスッと前に出て

「知能指数を下げるのよ。こういうのは違うのよ」

と光り輝きながら述べ、その場に居たへこみち以外の全員がアホのように呆けた表情となり、老王が騎士たちと拳を突き上げ

「魔王を倒せほほーん」

「ほほーん」「ほほーん」

メルルーンも股をいじりながら

「私負けた……魔王様ペットなりゅ……お股気持ちいいにょー」

よしこも無闇にワープしながら

「わーいわーい、楽しいなー」

魔族の少女は涎を垂らして呆けたように突っ立っている。

ポエミーはへこみちにニコリと笑い

「これが人の本質なのよ」

「いや、いきなり本質とか言われても困りますけど……魔法ですか?」

「知能指数を下げる、という神聖魔法なのよ」

「それ使ったら魔王倒せません?」

「弱者にしか効かないのよ、よしこちゃん」

よしこは照れ笑いを浮かべてワープを止めると

「バレたー?ポエミーさん質問なんだけど」

「どうしたのよ」

「魔王軍の師団長ってもしかしてクソ雑魚ナメクジミノムシ?」

そう言って呆けた魔族の少女と自慰をやめないメルルーンを見回す。ポエミーは頷くと

「アリンコ以下の人生の敗残者、そして脱落者の集まりなのよ」

「やっぱりそっかーもしかして王様もー?」

よしこは拳を突き上げては戻している王と騎士たちを見回した。ポエミーは頷いて

「既得権益に胡座をかいた頭幼児ばかりなのよ。この世を砂場だと思っているのよ」

へこみちが胡乱な眼差しで

「あの私一応キャットランドの王族の生まれで、メルルーンおばさんは親戚なんですが」

ポエミーは天使の微笑みで

「才能があるゴミクズゲロカスね」

へこみちは何か言い返そうとしてやめた

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