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勇者へこみちの覇道  作者: 弐屋 中二


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圧倒的強迫力

セクシーなボディスーツを着てガタガタ震えている雌の鬼に、ポエミーは微笑んで

「新たなる既得権益になりたいのよ」

「……?」

ポカンと口を開けた雌鬼にポエミーは

「魔王を倒して、我々が世界の支配者になるのよ」

「な、何を言っているんだ……?」

「我々に有利な金融システムを構築して世界の金融資本を握って、国家の上の概念として君臨するのよ。気に食わない勢力は金の力で、国連か有力国家にテロ組織認定させてつぶすのよ」

「とっ、とんでもない地獄みたいな世界を造るつもりなのか……?」

「国際的な武器屋もやって、たまに国家間で争わせて戦争で儲けるのよ。魔物と人の命と財産と国土を、我々のお金に変えるのよ。完璧で美しい錬金術なのよ」

雌鬼はガタガタ震えながら涙を流し

「やっ、やめろ!そんなことはやめてくれ!」

「定期的にインフレを起こして、株をやらないと損ですよと小金をため込んでいる一般市民や魔物に喧伝して、そしてみんなに株に貯金を突っ込ませたところで、システム構築側の圧倒的な情報格差を利用して我々がその全ての富を収奪するのよ!」

「やっ、やめろ!だめだ!悪魔かお前らは!?そんな世界は嫌だああああ!」

ポエミーはニコリと笑ってへこみちを見る。

彼はリズムに乗りながら

「いいか魔物、この世は弱肉強食、弱いやつは焼肉定食、食卓並ぶ食欲の生贄、職業選ぶ金持ちの子たち、俺食われる側、お前食う側、そんなの食えねえ、食わせてやらねえ、お前が焼肉、食った俺の筋肉、このリリックに乗せて、切々と覆す定説」

ポエミーも横で踊りながら

「いえい!はっ!そして世界の保……」

何か言おうとしたポエミーをカメタが遮って

「ぽひょーえーそれ以上はいけないにゃあ。とにかくゲーチェの圧倒的強迫力を見せつけたところで、鬼のお姉ちゃん、我々に協力するかにゅー?」

雌鬼は悔しげな表情で

「もはや、そうするしかあるまい……師団長だったヴァヴァンチーは魔王様から師団壊滅の罰としてエッチなペットにされ、毎日辱められている……私も帰ればそうなる運命だ……」

カメタは興味が深げにツツツと雌鬼に近寄ってしゃがむと

「興味あるにゃあ、詳しくよろだにゅー」

「……本当に聞きたいのか?生きるのが嫌になるぞ?」

「分かってないにゃあ……人の不幸は蜜の味だにゃあ……はよ、はよ」

「仕方ない……この間の幹部会議は、天井から吊るされたヴァヴァンチーが、円卓の中心の上に置かれたバケツに体液や汗を垂らすのを皆で眺めながらだった。他にも中庭で魔王様とのランチに呼ばれた時は、レベル50のオスゴブリンと非力なヴァヴァンチーが綱引きをして、彼女が必ず負ける度に開脚逆立ちなど、屈辱的な芸をやらされていた。全て一糸まとわぬ姿でだ」

カメタは身体を震わせると嬉しそうに

「いいにゃあ……その子欲すい……」

と呟き雌鬼をドン引きさせていた。



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