表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/71

にゃにゃーん大王

真っすぐ奥まで伸びている洞窟を二人は、慎重に進んでいく。最奥に明かりが見えると足早に駆けていき、しゃがんで近寄り中の様子をうかがいだした。


少し広くなっているそこにはゴブリンの姿はなく、荒縄で縛られた長い金髪に猫耳を生やした女性が横たわっていた。彼女は白の下着上下以外何も身に着けていない。パンツからは長い金毛の猫尻尾が伸びている。二人は勇んで近づくと

「おい?お前がボスだな」

「部下に裏切られて捕らえられたのね」

猫耳を生やした女性は目を開けると

「や、やっと、た、助けが来たのですね……」

へこみちとポエミーはニヤニヤしながら

「演技がうまいな」

「そうね。これから首と胴体が離れるとも知らずにね」

しばらく猫耳の女性は固まると

「た、助けでは、ない?」

へこみちはよく日に焼けた顔でニカッと笑い

「お前の部下のゴブリンは皆殺しにした」

ポエミーは爽やかな笑顔で

「森も燃えてるのー夜空を赤く染めてるわー炎神への捧げ物なのー」

いきなり歌い出した。女性は次第に恐怖の表情になり

「こ、この人たち、狂ってる……」

と小声でつぶやくと

「な、なんとかしなければ……」

全身から冷や汗を流しながら必死に考え、意を決した表情になり、縛られたままその場に上半身を起こすと

「ごほんっ」

軽く咳払いをして、耳まで真っ赤にしながら

「いかにも、私がここのボスのにゃにゃーん大王だにゃ!」

か細い声を荒げて宣言した。さっそく布の袋からノコギリやナイフなど解体用具を取り出しだした二人に慌てて

「まっ、待つにゃ!私を傷一つなく生かしてブルー王に捧げれば!お前らは大金を得るにゃ!大金持ちだにゃ!」

へこみちがピクリと反応して、女性を見ると

彼女はホッとした表情をしたあとに

「私はキャットーン族の王族だにゃ!捕らえたらブルー王がお金すんごいくれるにゃ!」

へこみちはポエミーに

「どうする?罠か?」

ポエミーは腕を組んで、女性の周囲をしばらくグルグルと周ると、いきなりその横にしゃがみ込んで

「へこみち、ちょっと後ろ向いててね。罠がないか、警察的な検査で確認してみる」

「わかった。警察的な検査だな。俺は紳士だからな、こんなとき、紳士は黙って後ろを向くものだ」

へこみちが後ろ向くと、ポエミーは女性の耳たぶから足元の指まで丁寧に揉みしだきながら、下着の中に手を突っ込みだした。

「あっ、ちょっと!やめっ!あっ……」

女性の喘ぎ声が洞窟内に響き渡る。


1時間後。


深夜で誰もいない王都グリグランの王城へと続く大通りを、下着姿で縛られ、うなだれた女性がへこみちとポエミーに連行されていっていた。両手にかけられた縄を誇らしげなポエミーに引っ張られている女性は小声で

「がんばれー……私。がんばるのです……あとちょっとです……」

と言いながらフラフラと裸足で歩いていく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ