第二話 こんにちは異世界
泣き声が聞こえる、これは赤子が泣いているのか?
いや赤子!?意識が覚醒してくる。俺は、死んだんじゃなかったのか?実は奇跡的に生きてて今は病院のベッドの上にいる、とかだろうか。
状況を確認しようと俺は辺りを見渡す。視界はぼやけてはいるが、鬱蒼とした森の木々とその隙間から見える青い空が見えている。
森?
どうやら救急車によって病院に運ばれた、とかではないらしい。
となると、ここはどこだ?というか俺、下半身が吹っ飛んでたよな?ってことは今どんな状態なんだ?
焦って手を動かすが、いつもと感覚が違う。プニプニしてて柔らかいし、腕も短い。
これではまるで赤子のような…そこで俺は気づいた。
どうやら泣いている赤子とは俺だったらしいと。
俺はふと実は願望通り異世界に転生しちゃってたりするんじゃないかと考えた。
いやいや、あり得ない、と浮かんだその考えを打ち消す。
いくら俺の体が赤子になっていたとしても、あんなものは創作物の中だけの話だし、そもそも俺が転生する理由もわからない。なんか神様的なやつにも会ってないし、すんごい能力を持ってるってわけでもない。
でも、もしかしたら、だ。なんかよくわからない天文学的な確率で俺が異世界に転生していたなら、と考えてしまう。
生きてた時にこんなこと言ってたら厨二病なイタイやつだったろうなと思いながら、真実を確かめるために定番のあの言葉を唱える。
「しゅてーたしゅ、おーぷん」
すると俺の目の前に透明な板が現れた。
まじかよ!本当にステータス画面が現れたことに驚きつつ俺は内容を確認する。
ステータス
【名前】レノ・ヒイラギ
【種族】人間族 【性別】男 【年齢】0歳
【レベル】1
【称号】世界を超えし者
【HP】30/30
【MP】1000/1000
【筋力】1
【体力】1
【知力】30
【魔力】100
【幸運】5
【ユニークスキル】魔法創造・森羅万象
【スキル】なし
なるほど、どうやら俺は本当に異世界に転生したらしい。