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【揺花草子。】(日刊版:2024年)  作者: 篠木雪平
2024年04月
93/365

【揺花草子。】[#4449] 未来を思う。

Bさん「人間万事塞翁が馬と言いますね。」

Aさん「まあ、言いますね。」

Cさん「どう言う意味か分かる?」

Aさん「そりゃもう。

    人生浮き沈みがあるものだから

    短期的な享楽に耽溺したり悲しみに沈む必要なんてないんですよ

    みたいな意味ですよね。」

Bさん「まあ・・・だいたいそんな感じかも知れないけど、

    ちょっとニュアンスは違うかも。

    より正確には、

    人生における幸不幸は予測が難しく、幸せが不幸せに用意に転じうるし、

    その逆もまた然り。

    だから安易に幸不幸に喜んだり悲しんだりするべきではないですぜ

    それは短慮な人間のする事ですぜ旦那。

    と言う意味だよ。」

Aさん「旦那誰だよ。」

Cさん「何にせよ未来は予見できないと言う事、

    そして今の幸不幸がこの先もずっと続くものではないわけだから

    短絡的に未来を決め付けてはいけないと言う警句と

    捉えられるものだわ。」

Aさん「まあ、そうですね。」

Bさん「未来が予見できないと言うのは昨今ますますその傾向が

    強まって来ているのではないかな。」

Aさん「ん、と言うと?」

Cさん「単純に現代が時代の移り変わりがかつてないほどに

    早まっていると言う事よ。

    例えば平安時代、10世紀から11世紀にかけての100年は

    その初めと終わりでそれほど大きく社会や人が

    変わった事はないだろうと想像できるわよね。

    でも20世紀の100年を考えてみるとどうかしら。

    我々人類はそれまでの人類の数千年の歴史で歩んで来た距離の

    何倍もの距離をこのたった100年で歩いてしまったのではないかしら。」

Aさん「あぁ・・・うーん、まあ、社会構造の変革とか

    技術の革新と言う意味ではきっとそうでしょうね。」

Bさん「そして恐らくは、21世紀の100年は、その前の100年と比べても

    更に何倍もの距離を歩く事になるんじゃないか。

    21世紀が始まる時には想像もしなかったものが

    わずか四半世紀の間にたくさん生まれたと思うよ。」

Aさん「んん、まあ、そうかも知れないね。

    スマホとかタブレット、各種クラウドサービスとか生成 AI の類は

    21世紀初頭には少なくとも我々一般人にとっては

    遥かな未来の SF の物語で描かれるものくらいの

    認識だったと思うよ。」

Cさん「であれば、この先21世紀が終わるまで75年余り、

    その頃には我々の想像を上回るような世界になっていると

    考えるのが妥当だわ。」

Aさん「それはそうかも知れません。」

Bさん「そしてその頃には生命の枠組みも変容しているかも知れない。

    例えば人工臓器の技術は日進月歩で既に実用段階に入っているものも

    あると聞く。

    数10年先にはこのようなものは当たり前のものとなり、

    役割がシンプルな臓器は人工のもので容易に代替可能な未来に

    達しているかも知れないよね。」

Aさん「なるほど。」

Cさん「SF 的な文脈だけでなく、こう言う人工臓器技術の事は

    広い意味でサイボーグ技術と言われるわ。」

Aさん「そうなんですね。」

Bさん「もちろん人間に限らず、他の動物においてもサイボーグ技術は

    非常に盛んな研究対象と言えるでしょう。」

Aさん「ふむ・・・。」


Bさん「つまり

    『人間万事サイボーグ馬』

    って事だよ。」

Aさん「どう言う意味?」


 モビリティの未来は馬に回帰するって事?

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