【揺花草子。】[#4444] 遠回りする。
Bさん「今日は我らキャッチーでウィットでセンセーショナルなトーク企画
【揺花草子。】通算 4,444 回目の話数となります。」
Aさん「何でそんな南極レポートみたいなやつなの?」
Cさん「返す返すも #11 は感動的よね。」
Aさん「確かにそうでしたけど!!
今回もまんまと泣かされましたけど!!!」
Bさん「ま、そんな中で今日も我々はモータースポーツの話をします。
依然としてぼくらの時間軸的にはオーストラリア GP の
開催前と言う状況です。」
Aさん「ん、そうだね。」
Cさん「前戦サウジアラビア GP では RB の角田選手が
ハースのギリギリな戦術に屈したのが話題になっているわね。」
Aさん「そうでしたねえ。
あれはいろいろ物議をかもしましたね。」
Bさん「改めて経緯を説明すると、レース中の他車との接触で
10秒ペナルティを受けたハースのマグヌッセン選手。
ポジション的には11番手くらいを走っていた。
一方 RB の角田選手は Q3 進出して9番手からスタートだったけれども、
何やかやでレース中盤は12番手を走行。
ポイントを争う10番手にはマグヌッセン選手の僚友である
ヒュルケンベルグ選手がいたよ。」
Aさん「だね。」
Bさん「ペナルティを抱えたマグヌッセン選手は
まだピットに入っていなかったチームメイトがフリーストップできるよう
後続を抑えるためにラップあたり1,2秒遅いペースで走った。
角田選手以下のドライバーは完全にそのペースに付き合わされて、
先行するヒュルケンベルグ選手とのギャップはどんどん広がっていく。
そして満を持してピットインしたヒュルケンベルグ選手は
マグヌッセン選手の献身にきっちり応え見事同一ポジションでの
コース復帰を成し遂げた。」
Aさん「そうだったねえ。」
Cさん「ちなみに私はマグヌッセン選手がペースを落とし始めたすぐぐらいから
『あれこれヒュルケンベルグ選手のサポート目的じゃない?』と
ピンと来たわよ。
実況解説陣より5周くらい早い段階でその可能性に気付いていたわ。」
Aさん「お・おぉ・・・そうですか・・・。」
Bさん「ま、ともあれ、後続を抑えたマグヌッセン選手。
一度は角田選手に抜かれるけれども、コース外走行で抜き返し、
これでさらに10秒ペナルティ追加。
けども結局この後コース上では角田選手以下は
マグヌッセン選手を抜けず、そのままフィニッシュ。
ヒュルケンベルグ選手は値千金の1ポイントを獲得するに至ったね。」
Aさん「うんうん。」
Bさん「で、この戦術が物議を醸しているわけです。
後ろのドライバーが先行するチームメイトのために後続を抑える事は
普段から良くある事だけれども、
コース外走行してポジションを守るとか、
ペナルティが実質的に機能していないとか、そう言う点だね。」
Aさん「うーん・・・。」
Cさん「今回出されたペナルティは10秒のタイムペナルティが2つという内訳。
タイムペナルティの消化の仕方としては、
ピットインのタイミングで作業前に指定秒数待たされる、
あるいはペナルティ後ピットインのタイミングがなければ
レース後の結果タイムにその秒数をプラスすると言う形よね。」
Aさん「ですね。」
Bさん「もともとはドライブスルーペナルティ、
あるいはピットストップペナルティと言うのがあったわけだけど、
ピットレーンに制限速度がある中でのドライブスルーは
かなりポジションを落としてしまう非常に重いペナルティだと言う
批判があった。
その批判に対応する意味で採用されたのが
タイムペナルティと言うわけだ。」
Aさん「うーん・・・でも今回のような出来事から考えると
タイムペナルティは正直有効とは言い難いよね。」
Cさん「ドライブスルーみたいに一時的にレース進行から除外する事で
強制的にポジションを下げるなどの直接的な不利益を課すと言うのは
やり方としては適切だと私は思うのよね。
ドライブスルーが重すぎるって言うんなら、
数年前から MotoGP で採用されているロングラップペナルティを
採用すれば良いんじゃないかと思うの。」
Aさん「あぁ・・・あの一部のコーナーを大回りさせるやつですね。」
Bさん「そうだね。
例えばモンツァ・サーキットの最初のシケインで飛び出しちゃったら
コースに合流するためにはブロックを迂回しながら
合流しなければいけないルールじゃない。
ああ言う感じでドライブスルーほどではないが時間を失うルートを
通らせる事でペナルティとする。」
Aさん「なるほどね。」
Cさん「そんなに難しい事じゃないと思うんだけど、
F1 と言うか四輪固有の何かで実現できないのかしらね。」
Aさん「うーん。どうなんでしょう。」
Bさん「権利関係で FIM と揉めるからかな?」
Aさん「そんな殺伐とした理由なの?」
良いアイデアだと思うんですよね。




