【揺花草子。】[#4436] イタリア生まれ。
Bさん「王侯貴族などやんごとなき方に沿い
身の回りのお世話などをする人々の事を侍従と言いますね。」
Aさん「んん、うん。」
Cさん「国や時代によっても精度が異なると思うけど、
現代の日本では天皇家に仕える方々をこう呼ぶ事が多いようだわ。」
Aさん「あぁ、ええ。侍従長って言う官職があるんですよね。」
Bさん「洋の東西や時代を問わず、貴人のお世話をする事をお仕事にする人は
常に居たわけです。
成熟した身分制度が発達した国では
こう言った役職の人たちに対する位置付けもきっちり育っている。」
Aさん「ふむ。」
Cさん「宮廷や後宮のあれこれを描く作品もたくさんあるわよね。
最近の馴染みで言えば『薬屋のひとりごと』なんかはまさに
そう言う作品だわ。」
Aさん「確かに。猫猫は後宮勤めの下女と言うポジションですね。」
Bさん「こう言う侍従と言うお仕事の人、
特に女性は『侍女』と呼ばれたりします。」
Aさん「だね。」
Cさん「さっきも話した通り、身分制度がきっちり整った国では
彼らに仕える人々もしかるべき地位が保障されたりしていて、
つまり奴隷身分などとは一線を画す存在だったわ。
古代であればそのポジションを奴隷が担う場面もあったでしょうけど。」
Aさん「ふむふむ。」
Bさん「そもそも貴人の侍従として仕えるのも
その家よりも格が低い家系の貴族階級の子だったりとかする場面もある。
日本の戦国時代などでは主家に近習の形で仕える若い武家の子が
いたりしたわけで。」
Aさん「あぁ。確かに。」
Cさん「そんな風に身分制度が高度に発達すれば、
彼らに仕える侍従の制度もリニアに発達していくわ。
その中で侍従の階層化が進んでいった事でしょう。」
Aさん「ふむふむ。」
Bさん「つまり駆け出しの侍女と、中堅の侍女、最上位クラスの侍女と、
一口に侍女と言ってもその影響力や待遇には
大きな差があったはずだ。」
Aさん「だろうね。」
Cさん「そして誰もが同僚を蹴落とし退け、侍女の頂点を目指し
骨肉の争いを繰り広げていたに相違ないわ。」
Aさん「えっ・・・いやー・・・それはどうですかね・・・。」
Bさん「そうやって辿り着く侍女の頂。
それ即ちトップ・オブ・侍女。」
Aさん「トップ・・・。」
Bさん「即ちトッポ・ジージョって事だよ。」
Aさん「それは違うよね?」
また随分懐かしい話を。




