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【揺花草子。】(日刊版:2024年)  作者: 篠木雪平
2024年03月
68/365

【揺花草子。】[#4424] すばしっこい。

Bさん「鼠小僧って知ってる?」

Aさん「鼠小僧って・・・あの?」

Cさん「あら知ってるのね?

    じゃあどう言う人だったか教えてくれるかしら。」

Aさん「ええっと・・・あれですよね、

    江戸時代に活動した義賊で、裕福な家に盗みに入り

    得た金品を庶民に配る的な・・・。」

Bさん「あれそうだっけ?

    鬼太郎の腐れ縁的半妖おじさんじゃなかったっけ?」

Aさん「それは名前がよく似ているけど違う人だよ?

    小僧じゃないしね?」

Cさん「それを言ったら鼠小僧だって小僧じゃないじゃない。

    鼠おじさんじゃない。」

Aさん「鼠おじさんって救いのない言い方ですね。」

Bさん「阿部さんが今言った通り、鼠小僧は江戸時代後期の人で、

    日本橋人形町と言うところの生まれなんだって。

    義賊伝説で良く知られているから架空の人物みたいな印象かもだけど、

    実は実在の人物なんだよ。」

Aさん「あ、そうなんだ。」

Cさん「でも例の義賊伝説は多分に誇張されているみたいよ。

    こう言う話には良くあることだけど。」

Aさん「あぁ・・・尾ひれがつくやつ・・・。」

Bさん「私腹を肥やす大名屋敷や悪徳商人の屋敷に忍び込み

    盗んだものをカネに困った貧しい人々に分け与えたと言われる彼。

    捕縛後の家宅捜索では盗んだ金品は殆ど出て来ず、

    それが庶民にばらまいたと言う謂れになっているみたいだけど、

    別にそう言うわけではなく単に自分の衣食住や賭博に

    使い込んだだけと言う事だとも言われる。」

Aさん「うーん。だとしたらしょうもないな。」

Cさん「それでも誰とも徒党を組まず1人で屋敷に忍び込み事を成す、

    しかも庶民に手を出したり傷つけたりはした事はないらしいと言う点は

    確かに当時の圧政に苦しんでいた庶民の目には

    ヒーロー的存在に映ったのは間違いないようだわ。

    少なくとも彼の時代から数10年後には

    歌舞伎の題材に取り上げられて盛んに持ち上げられたようよ。」

Aさん「なるほど・・・。」

Bさん「ま、なんにせよ、その実単なる盗賊であるだけなのに、

    何やかやで義賊に祭り上げられ持て囃されるようになった鼠小僧。」

Aさん「んん。」


Bさん「阿部さんワンチャンあるよね。」

Aさん「ないよ?

    ぼくは真っ当に実直に生きたいと思っているよ?」


 盗みに入る蛮勇は持ち合わせていない。

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