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【揺花草子。】(日刊版:2024年)  作者: 篠木雪平
2024年12月
347/365

【揺花草子。】[#4704] 怪獣。

Bさん「昨日はこの秋クール注目作品の1つである

    『チ。—地球の運動について—』についてお話したわけですが。」

Aさん「ん、そうだったね。」

Cさん「昨日話した神童ラファウくんは作中では

    『第1部』の主人公と言う扱いだそうだわ。

    今アニメで OA されているバデーニさん、オクジー君、そして

    ヨレンタちゃんが登場するのが『第2部』ね。」

Aさん「そうなんですね。」

Bさん「ぼくらは原作未読勢だけど、どうやら作品はさらにこの後

    『第3部』、そして『最終章』と続き、そして完結に至るみたい。

    アニメがどこまで描かれるかは分からないけど、

    アニメ無事完結の暁には原作にも手を伸ばしてみようかなと

    思ったりもしているよ。」

Aさん「ふむ、そうなんだね。」

Cさん「ところで、作品名にもなっている『チ。』だけど、

    これにはどう言う意味があるか分かるかしら?」

Aさん「もちろんです。

    一義的には『大地』の『地』ですが、

    苛烈な迫害の中で流される『血』、

    そしてその苦しみの中でも強く探求する事を望む『知』と、

    ダブル・・・いや、トリプルミーニングになってるわけですよね。」

Bさん「そうだね、その通り。

    ラファウくんやバデーニさんのように天文学への強い探究心から

    地動説に辿り着きその完成を目指す姿はもちろん、

    識字階級でない身分でありながら文字を学び自らの考え・思いを

    書に残そうと試みるオクジー君もまた深い知への欲求が

    あると見て良いでしょう。」

Aさん「んん。そうだね。

    オクジー君自身はそれが知への衝動の萌芽とは気付いていないけどね。」

Cさん「バデーニさんの文字に対する考え方も独特と言うか、

    尖ったものがあったわよね。

    文字は極めて高尚なもので、十分な学識がなければ扱えるものでなく、

    それ故に文字を遺す事は極めて大きな責任を伴うと。

    識字率が高い現代社会においてはこの考えはもはや傲慢だし

    ある種の選民思想と言っても過言ではないけれども、

    15世紀と言う時代背景を考えれば一定の説得力は備えているわ。」

Aさん「そうでしたね・・・。

    彼の言葉は逆説的に現代の人々の有り様への皮肉のようにも

    聞こえましたよ。」

Bさん「そう言う観点から言えばぼくらみたいな

    日々だらだらと繰り広げられる愚にもつかないお喋りを

    4,700 本も世に投下しているなんてのは

    バデーニさんが助走をつけて聖書の角のところで

    殴りつけてくるレベルだよね。」

Aさん「そんなに酷くは・・・いやバデーニさんならあり得るか・・・。」


Bさん「さしずめ『恥。』だね。」

Aさん「クアドラプルミーニング!!???」


 ヨレンタちゃんに幻滅されてしまう。

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