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【揺花草子。】(日刊版:2024年)  作者: 篠木雪平
2024年02月
32/365

【揺花草子。】[#4388] 厳しいルール。

Bさん「昨日提唱した新競技『わんこカップラ』ですがね。」

Aさん「テレビ映えしないスポーツとしてきみの中でもっぱら話題の。」

Cさん「実食開始までの3分間は

    『栄冠は君に輝く』のインストバージョンを BGM にして

    練習風景とか監督や選手へのインタビューとか地元とのかかわりとかを

    流せばいいと思うわ。」

Aさん「高校野球ですかね?」

Bさん「昨日も話した通り、オリンピックなど国際大会や

    各種プロリーグで用いられるのはスープまで全部飲み干す

    『完食レギュレーション』と言うルールが採用されているけど、

    学生の大会などアマチュアクラスでは

    麺と謎肉・卵・ネギなど各種薬味を食べ切れば

    スープを飲み切らなくても次に進める

    『麺食レギュレーション』と言うルールで競われるよ。」

Aさん「それは比較的手軽だね。」

Cさん「食べ終わったものを茶漉しのような器具で濾して、

    残留物の量でペナルティが発生する仕組みだわ。」

Aさん「おぉ・・・。」

Bさん「例えば謎肉が1欠片残っていたら5秒ペナルティと言った具合だね。

    つまり次のカップラに2分55秒以内に手を付けなければいけなくなる。

    ペナルティが嵩めば嵩むだけカップラに手を付ける時間が早まるから、

    まだ麺が固いカップラに挑まなきゃいけなくなる事もあるわけ。」

Aさん「それは割とその人の好みにも影響するかもね。」

Cさん「あと、階級もあるのよ。

    階級って言ってもボクシングとか柔道みたいな

    選手の体重による階級ではなくて、

    カップラのサイズに応じて違うの。

    レギュラー級のほか、BIG 級とかミニ級とかがあるわ。

    レギュラーは味のバリエーションも豊富だけど

    BIG やミニはバリエーションが少ないから

    一流カップラー選手でも逆に難しいと感じる人もいるそうよ。」

Aさん「わんこカップラの選手の事カップラーって言うんですか?

    でもミニ級だったら完食レギュレーションでも敷居は低いかもですね。」

Bさん「と思うじゃん?」

Aさん「え、槍バカよねやん?」

Bさん「いやよねやんは関係ないんだけど。

    ミニは量が少ないから簡単に見えると言う意見は多いし、

    確かにミニ級の麺食レギュレーションから始めて

    完食レギュレーション、あるいはレギュラー級に

    ステップアップしてくアマチュアカップラーも多いんだけど。」

Aさん「うん。

    今までの話を聞く限りそう言うロードマップが見えて来るね。」

Cさん「でも私たちがこの競技に挑むには

    あまりにも高い壁があるわ。」

Aさん「高い壁?」


Bさん「バーキン家はカップラ禁止なんだよね。」

Aさん「それはきみん家の都合だろ。」


 スタートラインにすら立てない。

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