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【揺花草子。】(日刊版:2024年)  作者: 篠木雪平
2024年01月
31/365

【揺花草子。】[#4387] 最初はレギュラー味が定石か。

Bさん「新しい競技を考えた。」

Aさん「新しい競技・・・。」

Cさん「パリオリンピック・パラリンピックでの採用を目指すわ。」

Aさん「パリオリパラ今年ですよ? あと何か月かですよ?

    ここに来て新しい競技をねじ込むのはさすがに無理では?」

Bさん「阿部さんは相変わらず視野が狭い。

    別に今回のパリオリパラとは言ってないでしょ。

    これまでパリ五輪は今年のを含めて3回開催されているんだから。」

Aさん「あぁ・・・じゃあ次にパリでオリパラが開催される頃には

    その競技が採用されているようにするって事?

    それって何10年も先の話では?」

Cさん「前回のパリ五輪が1924年だからちょうど100年前ね。

    次は22世紀じゃないかしら。」

Aさん「100年計画レベル!!!」

Bさん「ま、それはともかく、ぼくが考えた新しい競技だよ。」

Aさん「うーん。

    きみが考えるそれは大概酷いか愚にもつかないやつだからなあ。」

Bさん「酷っどいなこの人!!

    阿部さんなんて IOC から追放されちゃえばいい!!」

Aさん「そもそも IOC に関わりもないんだけど・・・。」

Cさん「振り返ってみると、以前は『2階から目薬』とか『爪切り』とか

    『阿部さんガチ凹ませ』とか『こたつたこ』とか

    いろんな競技を紹介してきたわ。」

Aさん「阿部さんガチ凹ませは競技化して欲しくないですね。」

Bさん「そんなぼくが今回考えた競技は、ズバリ『わんこカップラ』です。」

Aさん「わんこ?」

Cさん「阿部さんがよく言う

    『ぐるぐる回ってワンワン鳴いてみろよこのメス犬が。』の

    わんこじゃないわ。」

Aさん「そんな事ぼく言った事ないですよね!!?

    唐突になんて濡れ衣着せて来るんですこの人!!?」

Bさん「あのね、『わんこそば』は分かるでしょ?」

Aさん「え、もちろん。

    あ、わんこカップラって、あのわんこ?

    1杯食べたらすぐに次のそばがお椀に盛られて

    ギブアップまで続けるあれ?」

Cさん「そうね。それのカップラバージョン。」

Aさん「カップラバージョンって言っても、

    そばがカップラの麺になるだけでしょ?

    わんこそばと差別化できるような目新しい競技性あります?」

Bさん「麺をカップラのそれに変えただけと考えているなら大いなる錯誤だよ。

    阿部さんの不見識ここに極まれりだ。」

Aさん「きみの頭の中にしかない事でなじられてもなあ。」

Bさん「カップラは一般的に出来上がるまでお湯を入れて3分かかるじゃない?」

Aさん「まあ、一般的には。」

Cさん「わんこカップラはカップラのアイデンティティの体現たる

    この3分間が大事なのよ。」

Aさん「アイデンティティ。」

Bさん「競技はまずカップラのラベルを剥がしお湯を入れるところからスタート。

    3分間経ったら勇んで出来上がったカップラを食べ始める。

    そして同時に次のカップラにお湯を投入。

    最初のカップラを食べ終わったら

    次のカップラを食べ始めると同時にまたその次にお湯を注ぐ・・・

    を繰り返し、最終的に次のカップラが出来上がる3分の間に

    カップラを食べ切れなければそこで試合終了だよ。

    そこまでに食べた量で勝敗を競う。」

Aさん「え、つまり次のカップラが出来る3分以内に手元のカップラを

    食べ切らなきゃいけないって事?

    それけっこう過酷では?」

Cさん「もちろんよ。

    お湯だって常に熱湯を使うし、

    麺や薬味だけ食べ切れば良いアマチュアルールに対して

    国際大会などで採用されるレギュレーションでは

    スープまで含めて完食しなくちゃいけないわ。

    だから私たちはこの『わんこカップラ』を

    エクストリームスポーツの1つと位置付けているわ。」

Aさん「とんだエクストリームっぷりもあったもんですね。」

Bさん「まあ言ってしまえば大食い・早食いに

    カテゴライズされるものではあるけれども、

    この競技にはメジャー化に向け乗り越えるべき大きな課題があってね。」

Aさん「課題。」


Bさん「試合開始から最初の3分は待ってるだけの時間だから

    特にテレビ映えしないんだよね。」

Aさん「ラーメンが出来上がってから試合開始すれば良いのでは?」


 その3分はマイクパフォーマンスとかに使う。

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