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【揺花草子。】(日刊版:2024年)  作者: 篠木雪平
2024年01月
30/365

【揺花草子。】[#4386] 忘れてくれるな。

Bさん「『関白宣言』ってあるじゃないですか。」

Aさん「え、あの?」

Cさん「あのね。」

Aさん「さだまさしの?」

Bさん「さだまさしの。」

Aさん「やっぱりその『関白宣言』。」

Cさん「どう言う歌か知ってる?」

Aさん「あれですよね、嫁を貰う前に旦那が嫁に対して

    あれこれ注文つけるみたいな。」

Bさん「それはそうだし、そう理解される事が多いけれども、

    実際のところはそれだけの歌じゃありません。

    妻になる人に対しての心構えとか立ち振る舞いなどを

    旧態依然とした家父長的態度で言い聞かせているようではあるが、

    その裏には確かな深い、不器用な愛情が見え隠れするのだよ。」

Aさん「んん。」

Cさん「この曲がリリースされたのは昭和真っただ中の1979年だそうだけども、

    その頃であってさえ表層的に歌詞をさらって

    『男尊女卑だ』とか『女性差別だ』とか訴える声も多かったと言うわ。」

Aさん「まあ・・・楽曲の真意はそのもっと奥にあったのにって感じですかね。」

Bさん「だからと言って21世紀も四半世紀を迎えようかと言うこの時代に

    結婚式のお色直しの時とかにこの曲をチョイスしたら

    さすがに出席者一同は鼻白むんじゃないかとは思うけどね。」

Aさん「それは・・・そうかも知れないね・・・。」

Cさん「まあ阿部さんには関わりのない話だし阿部さん的には心配無用よね。」

Aさん「関わりのないと決めつけるのはどうかと思いますよ。」

Bさん「この曲で歌われている妻への言いつけとして、

    『俺より先に寝てはいけない』とか『後まで寝ててもいけない』とか

    『飯はうまく作れ』とか『いつも綺麗にしていろ』などがありますね。」

Aさん「だね。

    確かに今日に至りこんな事を妻に要求したら

    モラハラ夫の誹りは免れないところだよね。」

Cさん「それでも、そんな事を言うこの夫は他にもこんな事を伝えているわ。

    『幸福は2人で育てるものでどちらかが苦労して作るものではない』

    『1日でもいいから俺より長生きしろ』

    など。

    そこには前時代的な家父長的態度の裏に隠れた

    妻への深い愛情が滲んでいると言えるんじゃないかしら。」

Aさん「そうかも知れません。」

Bさん「それにしても、返す返すも、この曲の主人公が

    阿部さんでなくて良かったなと思うよ。」

Aさん「んん? 何どう言う事?」


Bさん「だって阿部さんなら

    『語尾に「にゃん」を付けろ』とか

    言うじゃない?」

Aさん「厳しい話にもほどがある!!!!!」


 それも夫婦の形か?

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