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【揺花草子。】(日刊版:2024年)  作者: 篠木雪平
2024年09月
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【揺花草子。】[#4617] 光琳。

Bさん「彼女が海辺で貝殻を売るじゃない?」

Aさん「いや・・・うん・・・まあ・・・。」

Cさん「元ネタは分かる?」

Aさん「元ネタって言うか、英語の早口言葉ですよね。

    『She sells seashells by the seashore』ですよね。」

Bさん「その通り。

    『she』と『sea』の発音の違いなんかがポイントになるわけだ。」

Aさん「うんうん。」

Cさん「他にも

    『Betty Botter bought some butter, but she said the butter’s bitter』

    『Six slippery snails slid slowly seaward』

    なんてのもあったりするわ。」

Aさん「なるほど。」

Bさん「おかしくない?」

Aさん「唐突に何?」

Bさん「あのね、彼女が海辺で貝殻を売っている。

    これはどう言う事?」

Aさん「どう言う事って・・・そのまんまでは・・・。」

Cさん「例えば彼女がハマグリの塩焼きとかサザエのつぼ焼きとかが頂ける

    海の家の店員さんだとするなら

    売っているのは貝殻ではないわよね。」

Aさん「まあ・・・それは、そうですね。貝殻はむしろ食べた後の残骸ですね。」

Bさん「でも彼女が売るのは貝殻なわけだ。

    海辺を歩けば普通に拾えるであろうそれらを、

    わざわざ値付けをして売っていると言う事だよね。

    これはあまりにも阿漕と言わざるを得ないのではないか。」

Aさん「いや・・・そんな事言われてもなあ・・・。

    ただ拾っただけじゃない何らかの付加価値が

    ついてるのかも知れないじゃない?」

Cさん「なるほど。磨いたりレジンでコーティングしたりって事かしら。」

Aさん「そうそう、そんな感じです。

    貝殻を加工したお手製のアクセサリーを売っていて、

    海辺沿いにお店を構えているって言う事なんじゃないですか?」

Bさん「なるほどなるほど。それは素敵なアイデアだね。

    ビーチコーミングで手に入れた綺麗な貝殻を

    素敵にアレンジして販売しているわけだ。」

Aさん「そう言う可能性だってあるんじゃないのかなと思うよ。」

Bさん「それは確かに大いにあり得ると思うけど、

    ぼく的にはその貝殻自体に価値があるのと言う線も

    あるんじゃないかと思うんだ。」

Aさん「んん、なるほど。

    めったに手に入らない珍しい貝殻だったら

    確かに売り物にはなるかもだね。」

Cさん「まあメルカリとかで売った方が買い手がつきそうだけど。」

Aさん「そりゃそうでしょうけども!!!」


Bさん「そう考えると彼女が海辺で売っているのは

    もしかしたら八橋蒔絵螺鈿硯箱なんじゃないかな。」

Aさん「国宝!!!!!」


 ガッツリ加工品ですが。

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