【揺花草子。】[#4599] なろう系。
Bさん「推理小説などで探偵に追い詰められた犯人が
余裕たっぷりを装って苦し紛れに言う科白第1位として知られる
『ははは、それは実に面白い推理だ。
探偵さんは推理小説家にでもなったらどうかな』
ですが。」
Aさん「あぁ・・・まあ・・・
いや今時そんなテンプレな犯人いないだろ・・・。
あとそんなランキングあるの?」
Cさん「そうよね。
『十戒』や『二十則』でも
『探偵を小説家と言ってはいけない』ってあるものね。」
Aさん「いやないでしょ?
さすがにそれはないでしょ?」
Bさん「『あなたには他に楽しみや友達があるかも知れない。
でも私にはあなたしかいないのです。』
とかね。」
Aさん「それは犬のやつだなあ。」
Bさん「ま、ともあれ、探偵に追い詰められた犯人が
『あまりにも突拍子もない推理だ』と印象付けようとするために語る
『探偵さん、あなたは推理小説家にでもなるといい』
と言う科白ですがね。」
Aさん「まあ・・・。」
Cさん「推理小説家界隈からしてみれば
『そんなあっさり小説家になれたら苦労はないんじゃボケ』
って反論も出かねないわよね。」
Aさん「犯人に対するヘイトのため方がえげつないですね。」
Bさん「そもそも小説家になるって言うのは、
まあネットの投稿サイトに趣味で自作小説を投稿する
アマチュア作家は別として、
一般的にはちゃんと出版社と契約して担当者がついて
商業出版して初めていっぱしの小説家じゃないですか。」
Aさん「えっ・・・いや、まあ、そうかもだけど・・・。」
Cさん「アマチュアの小説家からお金を取れる小説家になるのって
むちゃくちゃ大変だと思うのよね。
漫画家やイラストレーターが同人活動で生計を立てる人も
本当にごく僅かには居るは居ると思うけども、
同人小説家でご飯が食べられる人って
なかなかいないんじゃないかしら。」
Aさん「まあ・・・そう・・・ですかね・・・。」
Bさん「そう考えると、軽々しく『小説家になると良い』なんて言われて
有頂天になって探偵業を廃業して文壇に飛び込んだとして、
まったく目が出ず結局大成しないなんて未来も
普通にあり得ると思うんだな。」
Aさん「いやそれは向こう見ずが過ぎるのではないかな?」
Bさん「せめて小説家への転身を薦めた犯人には
責任を取って100冊くらい買って貰いたいよね。」
Aさん「むしろ献本する立場じゃないかな?」
犯人大賞2024。