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【揺花草子。】(日刊版:2024年)  作者: 篠木雪平
2024年08月
226/365

【揺花草子。】[#4582] お国言葉。

Bさん「今日8月13日は我ら【揺花草子。】では

    怪談をする日と決まっています。」

Aさん「決まって・・・いるかぁ・・・?」

Cさん「決まっているわよ。

    『【揺花草子。】憲章』に刻まれているわ。」

Aさん「そんなものがあるんです?」

Bさん「あるよ。『ユルバナの箱』として語り継がれていて、

    この箱が解放されれば【揺花草子。】は転覆するとまで

    まことしやかに囁かれているよ。」

Aさん「そう言う憲章なんだ? ユニコーン的なアレなんだ?」

Cさん「棄民と蔑まれた阿部さんの未来を照らす光になり得るから

    運営側はひた隠しにしてきたのよ。」

Aさん「ぼくこの現場では棄民扱いなんです?」

Bさん「ま、ともかく怪談です。」

Aさん「お・おぉ・・・。」

Cさん「怪談と言えば小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが著した

    『怪談』がとても有名よね。」

Aさん「え、ええ。あぁ、そうですね。」

Bさん「『耳なし芳一の話』とか『ろくろ首』とか『むじな』、

    それに『雪女』などとても有名な物語が収められているよ。

    阿部さんは読んだ事あるかな?」

Aさん「そうだね、ずいぶん昔だけども文庫版で読んだ覚えがあるかな。」

Cさん「『雪女』なんかはいろんな脚色がされて

    いろんな作品のベースになってたりするわよね。」

Aさん「そうかも知れません。」

Bさん「耳なし芳一の正体はびわたんだと言う噂もあるよ。」

Aさん「だとしたら壇ノ浦のくだりが鬼の心を打つほどうまいのも

    納得がいくよ。」

Bさん「この『怪談』ですが、英語でのタイトルは『Kwaidan』となっています。」

Aさん「ん、そうだね。」

Cさん「カタカナで書くと『クヮイダン』になるわね。」

Aさん「ええ。」

Bさん「小泉八雲が暮らした出雲地方では

    『カ』を『クヮ』と発音する訛りがあって

    それがこのタイトルの理由になっているとも言われているよ。」

Aさん「へえ・・・そうなの?」

Cさん「だから出雲地方に行けばきっと私も

    『クヮトリーヌ』と呼ばれる事になるわ。」

Aさん「ホントですか? 事になりますか?」

Bさん「もしアシュラマンが出雲地方出身だったら

    笑い声も『クヮークヮクヮクヮ』になるところだったね。」

Aさん「アシュラマンは魔界出身だけどな? むしろ出雲と真逆だけどな?」

Cさん「ただこの出雲方言からきている説もちょっと

    眉唾かも知れないらしいわ。」

Aさん「そうなんですか。」

Bさん「そこでぼくは新しい説を提唱したいと思ったよ。」

Aさん「新しい説・・・。」


Bさん「『怖い談』→『コワイダン』→『コヮイダン』→『クヮイダン』

    だと思うんだ。」

Aさん「怖い談!!!!!」


 果たして真相は。

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