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【揺花草子。】(日刊版:2024年)  作者: 篠木雪平
2024年07月
184/365

【揺花草子。】[#4540] 煮詰めていく。

Bさん「さて引き続きヤバ阿部さんとヤバローさんがお送りする

    ヤバい数学のお時間です。」

Aさん「番組名みたいに言うのやめて?」

Cさん「直径 50cm の輪を5つ作るのに 3m 巻きのロープと 4m 巻きのロープを

    それぞれ何巻ずつ買えば最もコストを抑えられるかと言う話題ね。」

Aさん「そうですね。」

Bさん「直径 50cm の輪っかを作るのに必要なロープの長さは約 1.57m。

    これは 3m 巻きのロープからは1本しか取れないわけだから、

    1.43m ほど無駄になっちゃうと言うわけだよね。

    そこらへん多少融通利かして 1.5m のロープから

    輪っかを作るようにすれば 3m から 2つの輪っかが作れるわけだし、

    それでも直径は 47.7cm くらいだから

    ぱっと見じゃ直径 50cm と区別つかないよ。

    そこらへん阿部さんは本当に頑迷だねえ。」

Aさん「いやぼくが悪いみたいな言い方しないで?

    問題の設定を作ったのはきみだろ?」

Cさん「ところで、昨日の

    3m のロープが¥1,000、4m のロープが¥1,500 と言う条件で

    直径 50cm の輪っかを5つ作るために最もコストが安い組合せを

    見つけるって言う問題に対して、

    阿部さんは条件を満たすすべてのパターンを挙げて

    1つ1つコストを算出する総当たり方式で答えを見出したわよね。」

Aさん「ええ、そうでした。」

Bさん「普通に考えれば何らかの計算式を使うって事になるんだろけど、

    今回の設問の前提条件として

    『それぞれの輪っかは継ぎ足し無しで1本のロープから切り出さないとダメ』

    と言うのが結構難題なんだよね。

    例えば連立方程式だの不等式だのに簡単には落とし込めない。

    継ぎ足し OK のルールなら

    x, y をそれぞれ 3m、4m のロープの巻数として、

    0.5 × π × 5 ≦ 3x + 4y を満たす最小の x, y (ただし x, y は 0 以上の自然数)

    を求めれば良いだけなんだけど、

    この計算式には継ぎ足し無しと言う制約を落とし込めてないんだよね。」

Aさん「ふむ・・・。」

Cさん「プログラムを書けばちょちょっと出来そうな感じはするし、

    なんなら最近なら生成 AI にお願いしても良いと思うわ。」

Aさん「なるほど、それは確かにそうかもです。」

Bさん「なんだけど、なんだよ。」

Aさん「ん?」

Bさん「このね、『継ぎ足し無しで輪っかを作る』と言う概念がね、

    うまく理解してもらえないんだよね。

    ```

    直径 0.5m の輪を5つ作るために必要なロープを購入したいです。

    ただしそのお店ではロープは価格が¥1,000の 3m 巻きのものと

    価格が¥1,500の 4m 巻きのものの2種類しか取り扱いがありません。

    また、それぞれの輪は短いロープを継ぎ足してではなく

    1巻のロープから切り出して作らなくてはいけません。

    さらに、費用はできる限り低く抑える必要もあります。

    目的を果たすためにはそれぞれの長さのロープを

    何巻ずつ購入すればよいですか?

    ```

    っていうプロンプトを投げても、あくまで収録時点でって話だけど、

    ChatGPT も Copilot も5つの輪を作るのに必要な 7.85m を

    軸に考えちゃう。

    ```

    3m のロープから 1.57m のロープは1本しか切り出せません。

    残りの長さをつなぎ合わせて 1.57m を作るのは前提に反しています。

    輪はつなぎ目なしで1本のロープから切り出さなくてはいけません。

    ```

    と指摘してあげると ChatGPT ではうまく軌道修正してくれるけど、

    Copilot では同じ答えを繰り返すだけ。

    プロンプトエンジニアリングの範疇かも知れないけど、

    こう言うちょっと込み入った問題だとなかなか理解されない。」

Aさん「んんー・・・。」

Cさん「プロンプト一発で正解を引き出そうとするのではなく

    複数回の問合せで回答の精度を挙げていくのが

    生成AIの正しい使い方ではあるのだからそれ自体は別に良いんだけど、

    例えば今回のような問題が小学生の夏休みの宿題で出たとして、

    それを生成AIさんに丸投げしようってなったら

    答え丸写しではバツを貰っちゃうわね、と言う事よ。」

Aさん「なるほど。」

Bさん「そこらへんはまだ人間の出番と言うわけだ。」

Aさん「ふーむ・・・。」


Bさん「でも

    『余ったロープを再利用する良いアイデアはありますか?』

    と言う問いかけには抜群の答えをくれたよ。」

Aさん「目的が違う!!!!!」


 コースターやバスケットを作ると良いですよと教えてもらえました。

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