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【揺花草子。】(日刊版:2024年)  作者: 篠木雪平
2024年05月
150/365

【揺花草子。】[#4506] 仲間を呼んだ!

Bさん「例の平沢さんが務めて以来演劇では花形の役と見なされる事もある

    『木G』ですが。」

Aさん「演劇界隈で『木G』ってそんなに評価高いの?

    あとかなり懐かしい話をしているね?」

Cさん「このあたり背景から説明してもらっていい?」

Aさん「ええ、そうですね・・・。

    2010年代初めの頃に大ヒットした芳文社さんの『けいおん!』で、

    主人公の唯ちゃんたちが高校最後の文化祭のクラス発表で

    『ロミオとジュリエット』の演劇をする事になった。

    で、澪がロミオ役、りっちゃんがジュリエット役になって、

    唯ちゃんは件の『木G』役を拝命した・・・と言うやつですよね。」

Bさん「そうだね。

    『木G』って言うと『木A』から数えて少なくとも7役はあるわけで、

    唯ちゃんの配役を聞いたあずにゃんも

    『そんなに木の役いります?』なんて疑問を呈していたよね。」

Aさん「あぁ、うん。そうだったそうだった。」

Cさん「原作だと単行本4巻、アニメだと2期の#18~#19くらいの話数ね。」

Aさん「ふむふむ。」

Bさん「で、一般論としてですが、木みたいな動かないものに

    わざわざ役を割り当てる必要性は果たしてあるのだろうか?」

Aさん「え? えー・・・。うーん・・・。

    まあ実際の演劇で言えば普通は書割だったり大道具だったりは

    するだろうけどね・・・。」

Cさん「そうよね。

    木は絵で済ませてその分を演者に割り当てた方が

    よほど有意義と思われるわよね。」

Aさん「んん、そうだと思います。」

Bさん「それでも、ムギちゃんの脚本・演出では、

    『木G』には動かない絵ではなくちゃんと役者を割り当てる

    必要があったと言うわけだよね。」

Aさん「そう・・・なるのかな?」

Cさん「どう言う理由が考えられるかしら?」

Aさん「えぇー・・・。そうですねぇ・・・。

    確かあの『木G』は幹の左右から枝を持った腕を広げる形でしたよね。

    例えば風の強さを表すために木の枝が動く様子を

    演出に取り入れたかったからとか?」

Bさん「それは確かにあると思う。

    ロミオとジュリエットの逢瀬の舞台となるキャピュレット家の邸宅は

    周辺に木々が立ち並んでいると言う背景設定にして、

    夜風が吹き抜け木々が揺れる演出を加える事で

    2人の逢瀬のシーンに特別な情緒をもたらす事ができただろう。」

Aさん「だろうさ。」

Cさん「まあ唯ちゃんがその演出意図を理解していたかどうかは

    正直分からないけどね。」

Aさん「くしゃみを我慢するので精一杯でしたし何なら劇後半には

    枝を持ち上げる腕もだいぶ下がっちゃってましたしね。」

Bさん「でもぼくは実はそうではないのではないかと思う。」

Aさん「本当はあの配役にはもっと意味があって、

    ムギちゃんも脚本で『木G』を活かすすごい脚本を書いたんだけど、

    クラスメイト達が『さすがにそれは』って難色を示して

    結局引っ込めた。

    でもその辺の擦り合わせを経て最終稿が出来た頃には

    既に別に動いていた大道具班が木に顔出しのマルを開けちゃってて、

    役を付けるより他ない状況になっていた。」

Aさん「んん・・・それは大胆な仮説だな。

    じゃあその『木G』を活かすって言うのは

    いったいどう言うものだったの?」

Bさん「そもそもね、もともと『木G』と言う役名でなかったんじゃないかな。

    そしてそう考えると、『G』と言うのも納得がいくんだ。」

Aさん「ほう・・・?」


Bさん「唯ちゃんはもともとは

    『じんめんじゅG』と言う役だったんだよ。」

Aさん「ムギちゃんのロミジュリは

    アクション活劇だったの!!???」


 ロミオは剣も扱えますしね。

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