【揺花草子。】[#4496] 正確を期する。
Bさん「阿部さん『キビバイト』とか『メビバイト』と言う単位を
知っているかな?」
Aさん「え? そりゃもちろん。」
Cさん「似た名前の『キロバイト』や『メガバイト』との
比較と言う側面を踏まえて説明してみてくれる?」
Aさん「ええ、良いですよ。
そもそも『バイト』は情報量の単位ですが、
『キロ』や『メガ』は SI 単位系の接頭語で、
それぞれ 10^3、10^6 を表す言葉。
なので『キロバイト』は正確に 1,000 バイト、
『メガバイト』は正確に 1,000,000 バイトつまり 1,000 キロバイトと
等価です。」
Bさん「ふむふむ。良い調子。続けて?」
Aさん「けど、HDD や SSD では慣例的に
2^10 バイトつまり正確に 1,024 バイトを『キロバイト』と、
2^20 バイトつまり正確に 1,048,576 バイトを『メガバイト』と
呼ぶ事が定着してしまっている。
これはオペレーティングシステム側の表現もそうだし、
ストレージのメーカーや小売業者、
さらには我々利用者にも広く浸透してしまっているけど、
厳密に言えばこの用法は誤りです。」
Cさん「良いわね乗って来たわね。」
Aさん「そこで、正確に 2^10 バイトを表す言い方として『キビバイト』、
2^20 バイトを表す言い方として『メビバイト』と言う単位が
定められています。
ストレージの容量は本来こっちで表現するのが正しいですが
なかなかそうはならないのが現状ですよね。」
Bさん「うんうん、良い感じに説明できてたと思う。
まとめると、1キロバイト(1kB)は 1,000 バイトに等しく、
1キビバイト(1KiB)は 1,024 バイトに等しいと言う事になるね。」
Aさん「だね。」
Cさん「けど阿部さんも言った通り、キビバイトとかメビバイト、
さらに上の単位であるギビバイトとかテビバイトなんて表現は
界隈の人でなければなかなか聞かないと思うし、
そもそもその意味の違いも理解が難しいでしょうね。」
Aさん「それは・・・そうでしょうねえ。」
Bさん「10進数に魂を縛られた人々にとっては
1,024 と言う数字が実に中途半端に見える事も原因だとは思うんだ。」
Aさん「重力に魂を縛られた人々みたいな言い方しないで?
まあ一見中途半端な数なのは確かにそうだと思うけど。」
Bさん「この事象を改善し世の中をより良い方向に導くため、
ぼくはこの 1 キビバイト= 1,024 バイトと言う定理を
簡単に覚えるための語呂合わせを考えたよ。」
Aさん「語呂合わせ?」
Bさん「『1,024個の吉備団子を嚙む』
って覚えれば良いと思う。」
Aさん「食いすぎだろ。」
1テラバイトと1テビバイトでは10%近くも異なりますからね。