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【揺花草子。】(日刊版:2024年)  作者: 篠木雪平
2024年04月
120/365

【揺花草子。】[#4476] 目覚まし代わり。

Bさん「春もたけなわでございますが。」

Aさん「何でそんな宴会を〆る人みたいな科白を言い出すの?」

Cさん「ちなみにこのたけなわって言うのは『竹縄』ではないのよ。

    たけなわは『酣』と書いて、宴席が盛り上がりのピークに達する様を

    熟成が進んでお酒が甘くなっていく様になぞらえたものなんですって。」

Aさん「へえ・・・そうなんですか。」

Bさん「阿部さんフランス人女性に日本語を諭される事に

    ネイティブ日本人としてもっと危機感を持った方が良いんじゃない?」

Aさん「今さらだね!?

    ハイスペ美女に勝る部分なんてそうそうないと考えてるんだけど?」

Cさん「ちなみにこの『たけなわ』と言うのはさっき挙げた

    お酒の話が語源だけども、

    一説によれば『take newer』、

    つまり『もっと新しいものを取れ』と言う言葉が

    語源とする説もあるわ。」

Aさん「あれハイスペ美女調子こいて急に胡散臭い説を唱え始めましたよ。

    民明書房の書籍みたいな事言い出しましたよ。」

Bさん「ま、とにかく春でございます。

    春と言えば植物が芽吹き、動物が活発に動き回る時期。」

Aさん「だね。」

Cさん「季節に関係なく引きこもっている

    自宅警備員成人男性である阿部さんには関係ない話かしらね。」

Aさん「自宅警備員ではないんですがね?」

Bさん「この季節は鳥たちも盛んに行動しますね。

    特に早朝はちょっと木々の多いところでは

    もう大合唱と言わんばかりに鳥たちのさえずりが響き渡るとか。」

Aさん「ふむふむ。」

Bさん「そんな鳥の鳴き声の中でもとりわけ有名なのがウグイスです。」

Aさん「ん、そうだね。」

Cさん「どう言う鳴き声かしら?」

Aさん「そりゃもちろん、『ホーホケキョ』ですよね。」

Bさん「確かにそう表現される事が多い。

    実際には『ホー』の部分はずいぶん長い。

    『ホーーーーーー・・・』と言った具合にためにためて、

    ここぞと言う時に『ホケキョ!』と決める思わせぶりな個体も

    いたりするよ。」

Aさん「それは思わせぶりな態度と言う事なの?」

Bさん「でもね、実は、よくよく聞くと、この『ホー』の部分、

    短音が長く続くと言うよりも、

    『ホーォーォーォーォーォー』みたいに波打つと言うか、

    そう言う鳴き声だったりする事もあります。」

Aさん「ん、そう・・・なのかな?」

Cさん「管楽器で言うところのタンギングほど

    はっきりと音切れがあるわけじゃないけど、

    白玉ドーンの単純なロングボイスではない感じね。」

Aさん「はぁ・・・。」

Bさん「そう言うイメージで聞くと、『ホーホケキョ』と言うのも

    ちょっと違って聞こえてきます。」

Aさん「そうなの?」


Bさん「『おうおうおうおう起きろ!』

    って聞こえちゃうんだよね。」

Aさん「早朝だからかな!!???」


 いわゆる聞きなしと言うやつですね。

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