【揺花草子。】[#4368] びちょびちょ。
Bさん「最近のスマホやウェアラブルデバイス、アクションカメラなどの類は
その大部分がある程度の防水性能を備えていますよね。」
Aさん「ん・・・んん?」
Cさん「防水性能は防塵性能と併せて IP 規格と言うもので定義されているわ。
『IPX7』とか『IP68』とかよく聞くでしょ?」
Aさん「あぁ、ええ。
スマホのスペックとかでよく書いてありますね。」
Bさん「ちなみにぼくらが使っている iPhone は
アップルさんの仕様ページによれば
『IEC規格60529にもとづくIP68等級』
とされているよ。」
Aさん「おぉ・・・。」
Cさん「最大水深6メートルで最大30分間の浸水に耐えられる性能と
解説されているわ。」
Aさん「なるほど。
まあ水没してしばらく放っておきでもしない限りは
使用に支障は生じないと言う事ですね。」
Bさん「この IP 等級、さっきも話した通り防塵防水性能の規格だけど、
今日は特に防水の事について話したい。
全く防水性能がない IPX0 から、
水面下での使用が可能と言う基準である IPX8 まで、
都合9段階の等級がある。」
Aさん「なるほどね。」
Cさん「そしてそれぞれの等級には満たすべきテスト基準も定められているわ。」
Aさん「基準。」
Bさん「例えば IPX7 だと、水面下 15cm〜 1m の深さに15分置いて
浸水が起こらない事と言う基準になる。」
Aさん「なるほど。」
Cさん「低い等級のものは防水性能と言うよりどちらかと言うと
防滴性能って言ったほうが適切かもだわ。
無防水の1段上、 IPX1 は 200mm の高さより 3〜5mm/分 の水滴を
10分に渡り掛けても機能に影響がない事を基準としているわ。
このくらいだとちょっとした水飛沫って程度ね。」
Aさん「ふむ・・・。」
Bさん「でもね、分間 3mm って言ったら、
時間で言えば 180mm って事になるじゃないですか。」
Aさん「え、うん、そうなるね。」
Cさん「時間雨量 180mm の雨なんて言ったら
もうこの世の終わりかって勢いよ。」
Aさん「いや・・・ええ、そりゃ時間雨量で言ったらそうでしょうけどね?」
Bさん「調べてみたら1982年7月23日に長崎市の少し北の長与町役場で
時間雨量 187mm と言う記録があって、
これが国内での観測史上最高の時間雨量なんだって。
文字通り数十年に1度の大雨で、300人近い方が亡くなった
未曾有の大水害だったそうだ。
IPX1 はこの程度の水量の飛沫に耐える程度の性能って事だよ。」
Aさん「多分そう言う話ではないとは思うけど・・・。」
Cさん「阿部さん 180mm の雨に耐えられる?」
Aさん「ぼくがですか?
そりゃ無理に決まってるじゃないですか。」
Bさん「つまり阿部さんの防水性能は
IPX1 にも達しないと言う事だね。」
Aさん「大体の人間がそうだと思うよ!!???」
防塵性能も低そうですよね。




