第八十五話 桜ちゃん家へお邪魔します!
授業終わり。
「凜花ちゃん〜。今年が終わるまでに遊ぼ〜。」
唐突に柚ちゃんに言われた。
後ろには例の三人がいる。
「陽鞠ちゃんと、桜ちゃんも。うん。遊ぼう。」
「忙しくないの?」
「いや、バレンタインのやつと並行して卒業式のやつやってくれたから私達はあんまり手伝ってないからね。暇なんよ、今から手伝うのもなあって感じだし。」
「今週末うちに来ない?」
「桜ちゃんち?」
桜ちゃんちか。てかみんなの家に行ったことないな。
「うん。友達連れてきたことないから、親がね〜。」
「ああ、うちもある。友達いるの?って言われた。」
二人がウンウンとうなずいている。
「雨宮家はどこにあるの?そういえば?」
「うん?ああ、普通の住宅街の一角にあるよ。」
「わかった。」
普通の住宅街と行っても多分、豪邸だろうと。
「ここ?」
「うん。ちょっとした名家らしい。」
「あ、旧家みたいな?」
「うん。」
そこには豪邸、まあ、豪邸の、平屋。
「昔ながらの家だね。」
「すごいね。」
「まあ、普通の住宅街の一角だけど。」
そうなのだ。普通の住宅街にある、ちょっと昔っぽい家って感じなのだ。
「あ、みんな、来てくれてありがとう!」
出迎えに来てくれる。可愛い。
「すごい、和風だね?」
「あ、うん。先祖代々の土地なんだよね〜。ちょっと古いからな〜変えたいんだけど。」
辛辣。
「良い家庭じゃん。昔ながらって感じで。」
柚ちゃんが助け舟を出したが、、、、
「うーん。」
やっぱり何かしら思うところがあるようだ。
桜ちゃんは昔ながらというか今っぽい少女だからなあ。
家に入ると思ったより今っぽい感じに変えている。
「中は普通だね。」
「そうじゃないと住めないよ。でも、変えられないところもあるから不便。」
「そうなの?」
「うん。」
「あ、桜のお友達?こんにちは。」
きれいな人が出てきた。
「あ、ママ。こっちの子が、友達のりんちゃんと、柚ちゃんと、陽鞠ちゃん。」
桜ちゃんの面影がある。似てるな。
「こんにちは。」
「こんにちは」
「こんにちは」
三人で頭を下げると、
「すごい子達ね〜。こちらこそ、娘と仲良くしてくれてありがとね。」
「はい。」
「こちらこそ。」
「(ぺこっ)」
三人とも三者三様である。