第二話 入学式
入学式
私は明精学院というところに入った。そこは、幼稚園から大学まであるお金持ちの学校である。
養父は会社の社長をしているが、この学校は、私より格上の会社の子供が集まる。私は、義両親に迷惑をかけたくないので、特待制度で入った。特待生は自動的に一番下のクラスの五組だ。
一応名簿で名前を探すと自分の名前があった。三園凜花という名前を見つけほっと息を吐く。
今更だが養父の名字は三園。だから三園凜花として暮らしている。
一年生だけが、会社の規模順なのである。一組には私の義妹がいる。それにあの五人もいるかもしれない。
今の両親は私達の現状を知ると驚いていたようだが、私達を養女にしてくださった。
優しい家庭で、楽しい生活を送っていたが、これじゃだめだと思った。
元の両親はあれから大切なあの会社をボロボロにした。私は決心した。あの会社を取り戻す。そして元父に復讐すると誓った。なんとかしてでもいい。母の会社を私が取り戻すのだ。
あの子達は元気にしているだろうか。
クラス分けを見ると、私は五組だった。まあ、あまり知り合いはいないクラスで良かったと思えた。
五組のみんなは私に楽しく話しかけてくれた。
おかげで入学式が始まる前に色々な子と話すことができた。
入学式が始まるので講堂に移動して入学式が始まった。
入学式の校長の話をぼーっと聞いていると、
新入生代表の話になった。
新入生代表の子が壇上に上がってくるのをぼーっと見ていると、
びっくりしてしまった。
なぜかと言うと、それが知り合いだったからである。
内海湊。内海というと大企業の息子じゃないか!知らなかったんですけど!
知り合いというか、幼馴染とも言えるかもしれない。かなり話していた印象。
でも相手がどう思っていたかは知らない。かなり高飛車だった私のことを嫌いながら仲良くしているように見せていた可能性もある。
湊が壇上に上がっただけで女子生徒の顔が赤くなっている。
私はそれよりも、湊を見ることができた喜びに浸っていた。
やっぱり懐かしいのよねもし、嫌われていたとしても。
でも元気な姿を見ると、嬉しい。
今はただ、この時間に浸っていたかった。