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第二話  ありがとう道三! おぬしの力はワシが貰い受ける!

 久秀とテアニンは一頻り暴れた後、ようやく落ち着くことができた。久秀は愛器平蜘蛛が理不尽極まる理由で捨てられたことを、テアニンはいきなり殴られたことを、それぞれ納得してなかったが、話が進まなかったので一旦は横に置いておくことにした。


「さて、んじゃ、カメリアに旅立つ前に、“スキルカード”を渡しましょうか」


「すきるかあど?」


 聞きなれぬ南蛮語の登場に久秀は首を傾げた。そして、テアニンはニヤニヤ笑った。なにしろ、転生システムの醍醐味の一つであり、これを説明している時こそ、女神っぽさが出る至福の瞬間であるからだ。


「ああ、そうだわ。スキルカードの説明前に、これ、握っといて」


 そう言うと、テアニンは一冊の分厚い本と取り出した。なにやら訳の分かない字で書かれていたため、久秀にはその表題を読むことができなかった。


「これは『知識の泉』と呼ばれる本で、これを掴んだ者は、これから行く世界に必要な知識が手に入るわ。現地の言葉での会話、読み書き、基礎的な知識、それが頭の中に流れ込む」


「それはなんとも便利な」


 何の躊躇いもなく久秀は本を掴んだ。すると、本が輝き出し、パラパラとページがめくられていった。その都度、文字が飛び出しては久秀の頭の中へと飛び込んでいき、そして、また閉じた。


「これで意思疎通には不自由しなくなるはずだけど……、どう?」


「すきるかあど、とは技の名前が書かれた呪符のような札であり、それを取り込むとそれに書かれた効能を得られる魔術的要素の札である」


「そうそう。うっし、インストールは大丈夫みたいね」


「見習い女神テアニン、性格は穏当に見えつつ、その実お調子者で抜けが多い。身長は五尺四寸……、っと尺貫法は駄目だな。身長は百六十二センチ、体重は五十四キロ、すりいさいずは上から88・58・87である、と」


「余計な知識は仕入れんでいいし、口に出して言わないの! 調整ミスってない、この本」


 テアニンはぶつくさ言いつつ、本をどこかへしまい込んだ。

 それからテアニンがパチンと指を鳴らすと、周囲に無数の“札”が現れた。様々な色の輝きを放ち、見ているだけで中々に艶やかであった。


「これが“すきるかあど”か」


「そう。このカードには様々な効能が書かれていて、それを自分の能力に上乗せできるの。こっちで用意したものから、あなたの世界の偉人の能力まで、色々と取り揃えているわ。このカードもSからEまでの六段階で分けられている。で、そこから“二枚”持って、あっちの世界に行けるわよ」


 そう言うと、テアニンはどこからともなく穴の開いた箱を取り出し、それを頭の上に掲げた。すると、飛び交っていたカードがその穴に吸い込まれた。


「札の枚数と、箱の容量が合っておらんな」


「細かいことは気にしないの。んじゃ早速、チュートリアル的なお試しシャッフル参りましょうか!」


 テアニンはブンブン箱を振り回し始めた。


「いい? カードは無数にあるけど、持って行けるのは基本二枚だけ。この箱から二十枚取り出して、その中から二枚選んでいいわよ。……てい!」


 箱の横をポンと叩くと、札が飛び出してきた。その数合計二十枚。これまた様々な色を纏った札であり、中には虹色に輝く者が混じっていた。それも三枚。

 それを見たテアニンは目を丸くして驚いた。そして、叫んだ。


「なんでSランクが三枚も混じってるのよ! 確率千分の一以下のはずよ!?」


「なんだか分からんが、ワシの日頃の行いの良さが出たのであろうな。なにしろワシには廬舎那仏るしゃなぶつ毘沙門天びしゃもんてんの加護が付いておるから」


「東大寺と朝護孫子寺に怒られろ!」


 にやける久秀にテアニンは叫んだが、ニヤニヤ返されるだけなので、話を続けることにした。


「じゃあ、こっから二枚選んでいいわよ。まあ、チュートリアルだから気に入ったのがなければ、もう一回引き直してもいいけど。もっとも、Sランク三枚出ちゃってるから、これよりいい組み合わせが出るとは思わないけど」


 実際、Sランクが三枚も並ぶことなどまずありえないのだ。良くて一枚、悪くするとAが一番上などということもままある。B以下ばかりすら見慣れた光景であった。それが三枚同時にSランクが出るなど、異常事態も異常事態なのだ。

 そんな落ち着かないテアニンを後目に、久秀は飛び出した二十枚の札をじっくり眺め、そして、言い放った。


「不要だな。引き直すぞ」


「はぁ!?」


 呆けた顔でテアニンから間の抜けた声が漏れだした。なにしろ、折角出てきた虹色の札をいらないと豪語したからだ。


「ちょっと待ちなさい! Sランクの輝きが見えないの!? 滅多に手に入る能力じゃないのよ!?」


「だが、ワシには不要だ」


「んなわけあるか! これ、これなんか、絶対使えるって!」


 テアニンは虹色の札を一枚掴み、それを久秀の顔に押し当てた。なお、その札には《剣聖の閃き》と書かれていた。


「これ! 剣聖・上泉信綱の力が手に入るわよ! これさえあれば、どんな奴だってバッタバッタとぶっ倒せるわよ!」


「愚かな。個人の武勇など高が知れている」


 久秀は札をビリリと破り捨て、紙吹雪のごとく散らせてしまった。


「ぬおおおおお! なんつうことを!」


 テアニンは這いつくばって散らばった札の欠片をかき集めた。


「昔な、剣の腕前にイキっておったバカ将軍を一人、始末したことがある。確かに剣の腕前は大したものであったし、持っている刀の数々も業物であった。だが、殺された。普通の刀を持った、普通の兵士にな。腕利きの剣豪と言えど、数の前では無力なものよ。ゆえに不要と言ったのだ。もし、個人の力うんぬんを語るのであれば、唐土もろこしの項羽でも連れてくることだな」


 そして、あたふたするテアニンの頭に改めてまだ持っていたステンレス鍋をゴツンとお見舞いした。これまた完全な不意打ちになり、テアニンは顔面から地面に倒れた。


「だから、それは止めなさいって! 鍋は武器じゃないのよ!」


「仕方あるまい。現在のワシの装備はマッパに鍋なのだからな。鍋一つで武器防具を補わねばならん状態なのだ」


「あっちの世界に飛ぶときには相応の装備を渡すから、それまで我慢なさい!」


 テアニンは殴られた頭を擦りながら、別の虹色の札を掴んだ。


「ほら! これだって強力な上に汎用性も高いわよ!」


「《遁甲天書》か。三国時代の軍師・諸葛孔明が吹くはずのない風を吹かせ、敵陣を焼き払った術」


「そう! 風雨を操り、雷を落とす術が使えるようになるわよ! 人間が手にしていい限界に近い能力と言ってもいいわ!」


「だが、不要だ」


 再び久秀はビリリと札を破り捨てた。


「ぬおおおおお! なんつうことを!」


 またしても紙吹雪と化した札をテアニンはせっせとかき集めたが、またしてもその頭上に鍋が振り下ろされた。再びゴチンッといいと共に脳天に直撃し、テアニンは頭を抱えながら転げ回った。


「愉快な女神よな」


「くぅ……。だから、それ、止めなさいって! 鍋が変形するわよ!」


「ちょっと歪んでいるくらいが丁度いい。使い古している感が出て、渋みが増してくる。もっとも、こうテカテカ光っているようでは、まだまだだがな」


「歪んでるのは、鍋じゃなくて、あんたの性格でしょ」


 どこまでも我を通してこちらの言うことなどどこ吹く風と言わんばかりの態度に、テアニンも徐々に慣れてきた。やはりこの操りにくさこそ、低ランクの証なのだと。


「《遁甲天書》、天候を操る術であるが、それはよくない。シトシトと降り注ぐ雨、サッと吹き抜ける一陣の風、その自然の機微を感じることが風情なのだ。その雨風が自分の意識の中に取り込まれておると分かると、途端に萎える。風情も趣きもあったものではない。成り行き任せの自然体、意のままにならぬからこそ世界は美しいのだ」


「うっわ、柄にないことを。切った張ったの戦国武将が、一端に文化人気取りとか」


「ワシはそもそも、京に住まう都人だぞ。雅な空気を吸って育ってきたのだ。尾張の田舎で育った信長うつけとは、上辺だけ取り繕っているあの田舎侍とは、根本的に違う」


 久秀は先程までぞんざいに扱っていたステンレス鍋を、今度は愛おしく撫で回した。


「そう、世界は美しいのだ。指先に留まる一匹の虫にすら愛おしく感じるほどにな。詫び寂びか、同門の与四郎がいつも言っておったわ。ふん、あやつもあやつで信長うつけに取り入りおってからに、変わってしまうものなのか…」


「なお、詫び寂びを説く男は今現在、全裸である」


「やかましいわ!」


 雰囲気をぶち壊しにされ、久秀は再び鍋を振り下ろしたが、今度はがっちり受け止められた。再び、鍋を挟んでの鍔迫り合いである。


「だったら、さっさと服寄こせよ!」


「そんな全裸のあなたにぴったりの札でしょ、最後の一枚!」


「《万人仏性》、釈迦の教えか。そういえば、釈迦も全裸で修行しておったそうだな」


 久秀は最後の一枚を手に取り、そして案の定、破り捨てた。


「釈迦の教えがどれほど素晴らしいものであろうと、その弟子達がどのような振る舞いをしてきたか、ワシは見てきたからな。釈迦自身、教えの変質を否定はしておらん。時代や地域によって、どうあがこうとも変わってしまうのだからな。だが、日ノ本の釈迦の弟子達は余りに歪ませ過ぎた」


「まあ、確かにね」


「仏の教えだなんだといっては傲岸に振舞い、果ては酒を飲み、肉を喰らい、女を抱いて、人を殺める。戒も何もあったものではない。お経が読める以外は、武士と何ら変わらぬ。叡山を焼き、長島で撫で斬りにし、石山を締め上げる、この点だけはワシも信長うつけのやり様を認めている。ワシはあんな歪んだ教えを説くつもりはない。ワシはあくまでワシ一人。教え説くことなど、何一つない」


 怒りとも悲しみともとれる久秀の表情に、テアニンはその心情を悟った。


(そうか。このヒサヒデという男、歪んでいるんじゃない。誰よりも真っすぐなんだ。どこまで行っても自分中心、自分本位。自分がやりたい事をそのままやってしまう。だから周囲には却って歪んで見えるし、狂っている様にも見えるんだ)


 曲げない曲がらないからこその扱いにくさ。これが自分が偶然見つけて手に取った“松永久秀”という男なのかと感じ入った。

 しかし、同時に悩ましいことでもあった。この扱いにくい相手をパートナーとし、魔王を見つけ出さねばならないのだから。


「まあ、気に入らないってのなら仕方ないわ。もう一回引き直す?」


「無論。ところで、その箱の隅にある出っ張りはなんだ?」


「ああ、これ? “ランダムキャッチ”のボタンね」


「らんだむきゃっち、とはなんでござるかな? 先程のいんすとおるでは、頭の中に入っておらんぞ」


「まあ、この世界限定のやつだしね。えっとね、通常のやり方だと、飛び出した二十枚から二枚選択する方式だけど、ランダムキャッチだと、箱の中に直接手を突っ込んで、直接札を取り出すやり方になるわ」


 説明を聞き、久秀は首を傾げた。


「それでは利点がないのではないか? 二十枚から二枚選ぶのと、無数の札から二枚選ぶのでは、札が見えていない分、後者が不利だ」


「まあ、そうなんだけど、代わりにランダムキャッチでないと手に入らない札がある」


「ほう……」


「あんまり強力過ぎて、扱いきれない札ってのがあるのよね。そういうのは箱から出てこない。さっきあなたが言ってた《覇王》もその中に入ってるし、他にも《雷光》とか《白い死神》とか《光武》とかね。あなたの出身国だと、《鎮西八郎》かな」


 などと説明しているうちに、久秀はその出っ張りをポチッと押し、箱の穴に手を突っ込んだ。


「思い切りいいな、おい!」


「悩んでいても仕方あるまい。即断即決こそ、重要なのだ。どうせ死んだ身の上ならば、思い切りよくいかねばどうするというのか」


 ごそごそ箱の中身を探り、そして、まずは一枚引っ張り出した。札の色は金色。つまりAランクだ。


「ありゃりゃ、残念。まあ、ランダムでAランク引けただけでも御の字じゃない?」


「いや、大当たりだ。クックッ、はっきり言って、先程の“えすらんく”とやらより有用だ」


 満面の笑みを浮かべる久秀。何を引いたのかとテアニンは札を覗き込むと、そこには《本草学を極めし者》と書かれていた。


「ああ、それね。効能は植物学やら薬学の知識が手に入り、薬の調合までバッチリできるようになる札ね。確か、曲直瀬道三まなせどうさんってお医者さんの能力だったかな」


「やはり、曲直瀬殿の能力であったか」


「あら、お知り合い?」


「ああ。京に住んでおった頃、ワシは“二人の道三”の世話になっておってな。一人は油屋の店主で、ワシはそこの店員を務めておった。そして、近所に住んでいた曲直瀬殿には、調子が悪いときに世話になっておった。懐かしいのう」


 今でも思い浮かぶ当時の“二人の道三”の顔を思い浮かべながら、久秀は懐かし気に語り始めた。


「あの頃は楽しかったな。酒を飲んでは店主の道三とは国盗りについて語り合ったものよ」


「京の油屋で道三……、えっと、美濃の長井規秀のこと?」


「そうだ。何年かあの店におったが、それはそれは楽しい日々であったわ」


 テアニンは何となくその光景を想像してみた。暖簾をくぐってお店に入ると、松永久秀が「いらっしゃいませ」と笑顔でお出迎えし、その奥から店主の斎藤道三が「ようこそお越しくださいました」とこれまた笑顔でお出迎え。想像するだけで、なんだか寒気がしてきた。


「それ、本当に油屋!? 絶対、なんか怪しい物、商ってない!?」


「フッフッフッ、“裏めにゅう”なるものもあったぞ」


「うわぁ……。京の都って怖い」


 本気か冗談か分からなかったが、とにかく、この話題はおしまいにしようと次に振った。


「で、もう一人の道三にも世話になったって?」


「うむ。医者の方の道三には色々と健康法を学んだわ。それと『黄素妙論』という性技の奥義書を伝授されてな。フフフ……、それを用いて、女をヒイヒイ言わせたものだ。なんなら、おぬしも試してみるか?」


「いえ、私は結構」


 テアニンはきっぱりと断った。神と人間の色恋沙汰は厄介事にしかならないことを、テアニンはゼウスという大先輩の神から学んでいた。

 なにより、“二人の道三”が目の前の規格外の男に少なからず影響を与えたことも理解した。そして、それをどうにかしないと、絶対に面倒事になるということも同時に理解した。


「まあ、でも、そのスキルは利用価値が高いわね」


「ほう、おぬしにもこのスキルの有用性が分かるか?」


「もちろん。要は医者や薬師になれるってことだからね。医術、薬学なんてどこの階層、どの種族にも必須の存在。丁重に扱われ、どこにでも紛れ込みやすくなる。どこかに潜んでいる“魔王”を探す上で、どこにでも入りやすいってのはいいと思うわ」


「何を素っ頓狂なことを言っとる。毒薬作り放題、暗殺し放題ではないか」


 両者の認識の間に、凄まじい深さの溝が現れた。それはもはや天地ほどの乖離と言ってもいい。


「……ん?」


「……ん?」


「いや、ほら、毒殺ってあんた」


「誰にでも近づけて、薬を処方しても怪しまれない。医者と暗殺者は相性がいいのだぞ」


「いやいやいやいやいや」


 間違ってはいないが、こうもあからさまに言われてはさすがに反応に困る内容であった。


「なあ、女神よ、仕事の内容は“魔王”を探すことだな?」


「え、あ、う、うん。その通りよ」


「ならば、それっぽい奴を片っ端から一服盛っていけばよい。死ねば人間、死なねば魔王」


「ちょっとちょっとちょっと!」


 何か聞いてはならない話が耳に飛び込んできたようなので、テアニンは大慌てでそれを止めに入った。


「それに、先程、おぬしは言っておったな。ワシの“すてえたす”にはすでに“築城”と“暗殺”の技能が初期配置されておると」


「え、う、うん。確かに」


「ならば、この札が最上の組み合わせ。暗殺+医術、これで魔王を探す。危うくなったら、自作の城に逃げ込もう。どうだ、これならば申し分なかろう?」


「ええ……」


 最早、言葉も出なかった。何しろ、目の前の全裸男は、探索と殺害を同列で語っているのだ。今まで散々奇妙な人間とも組んだりもしたが、その経験すら霞んでしまうほどの状況であった。


「ヒサヒデ、あなた、それじゃ、無実の人まで死んじゃうじゃない! それでいいの!?」


「ワシに疑われる方が悪い。疑わしきは始末しろが、戦国の鉄則だぞ」


「あっちの世界に、戦国乱世の思想を持ち込まないで! 仮想現実な世界だけど、あんまり突飛な行動はどっかに影響出かねないから、絶対にやめてよね!」


「断る」


 女神の嘆願を突っぱねて、久秀は腕を組んで堂々を居直った。


「あんたねぇ……、人を殺すのがそんなに楽しいの!?」


「バカを申すな。ワシは一度たりとて、楽しいから人を殺めるなどという事をした覚えはないぞ」


「じゃあ、なんでそんなにあっさりと殺すなんて言えるのよ!?」


「必要だから。何より、らねば、られるからだ。当然であろう?」


 テアニンは恐怖した。戦国期の日本人は大なり小なり頭がおかしいとは聞いていたが、ここまでイッているとは考えもしていなかったからだ。

 それとも、目の前の松永久秀なる人物だけが、特別にぶっ飛んでいるのだろうか?

 そう思わずにはいられない女神であった。


「それになあ、女神よ、おぬしはわしの流儀ややり方を通す事を認めたではないか。約を違える事は認められんぞ」


 そう、テアニンはその点については久秀に一任していた。魔王を探す方法は自由にさせる、と。


(やっば、なんて言うか、私、人選間違えた?)


 最早取り返しのつかないところまで来てしまった。とんでもない人に仕事を依頼し、とんでもないスキルを与えることになった。認めた以上、修正は効かない。

 今は試験中なのだ。見習いが正式な女神になるための。最初に人選で大チョンボをしてしまうなど、その後の点数が絶望的な状況になりかねない。

 とにかく、できうる限り、目の前の男が暴走しないよう努めねばならなかった。どうかバカバカしい事になりませんようにと、テアニンは“神”に祈るより他なかった。



           ~ 第三話に続く ~

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ヾ(*´∀`*)ノ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 久秀、鬼畜! というかある意味戦国武将の鏡。 でもこれは人選を誤りましたね。 そして女神から漂うポンコツ臭。 でもこういう悪辣かつコミカルな主人公も良いですね。 これはこの先も波乱だからけ…
[一言] 久秀がとてもチャーミングでユニークですね!
[良い点] 久秀の梟雄イメージの多くは後年の創作ではありますが、 ステレオタイプの久秀の再現度が高く、コメディとしても面白く読めますね。
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