午後の部の始まり
月を囲んで質問攻めをしていた子達は、好奇心よりも空腹が勝るらしく、女子達は「絶対聞き出すからなぁ!」と、
月の頭を撫でたり、月の背中を叩いたりしてご飯を買いに行った。
落ち着いたあたりで、蜜が話し出した。「まさかとは思ったけど、」と話し出した。
蜜の話によると、君は他校の女子からも大人気でファンクラブもあるとかないとか。
「泣いてた子達は、きっと片想いしてた子達だろうなぁ」さ、ご飯行くよー。と蜜は月の腕を引っ張り、ご飯を買いに行った。
購買でご飯を買える。購買は、凄く良い匂いがした。
ただ、購買や購買付近には君のファンがいて月は蜜をチラっと見た。
今、蜜に名前を呼ばれたらファンの人たちに何て言われるかわからない。「みっちゃんに頼む、?」と月が考えていたら、
「みーたん、何食べたいー?」蜜は、オムライスーと言い出した。
蜜は月の性格を知っての上で、その場で月の名前を呼ぶのを避けた。みーたんは、蜜が小さいころに呼んでいた月の呼び名だ。
「月ってどいつ?」「あとで見に行こうよ」等と話している女子がちらほら居た。
「本当の月」を見たことある友達は、蜜だけ。蜜は、”月を知っているから”こそ避けたのだ。
二人が購買を出てすぐ、借り物競争で蜜とゴールした男の子が話しかけてきた。
「あれ、その子は?」と話しかけてきた。蜜は、月を背中に隠した。月に、ちょっと待ってて。と言うと月を、その男の子から離した。
蜜は、口が軽い子と仲良くなった、と前に話してくれたのを月は思い出した。
「あの子の事か」と月は察すると、ありがとう。と蜜にボソっと言うと、その場から離れた。
月は、テラスみたいな場所に来た。会場は、高い場所にあってテラスからは街が見渡せた。
「良いところあるじゃん」と蜜が戻ってきた。「ここだと人少ないし、月と二人きりで食べれるねー」と
蜜は購買で買ったオムライスが入ってるお弁当の蓋を開けた。
「で、どこで知り合ってたのさー」あ、ここのオムライス美味しい、と食べながら聞いてきた。
「家の近所の公園に、寒い中ベンチに座って本を読んでたんだ。それを見た、」と月は話し出した。
いつも月が蜜の恋バナを聞く方だったため、月はむず痒い状態になっていた。
蜜は、所々叫びながらも、オムライスを食べながら真剣に聞いてくれた。
月は蜜が真剣に聞いてくれたことに喜びを覚えた。今まで男の子と関わる事は愚か、恋をしてこなかったため
物凄い不安だった。そんな中、恋愛上級者とも言える蜜が居てくれて話も聞いてくれて、月は安心した。
そうこうしていると、お昼休みが終わった。午後からは、ドッチボールの試合の続き。
「午後の部もいけそっ?」と蜜に聞かれた月。一度決めたことは必ずやり通す月は「潰すぞ」と気持ちを切り替えた。
「安定の物騒さ」と笑いあいながら月達はクラスに戻った。
相手は3年生。なんと、君のクラスの女子。「彼氏さんのクラスだからって気抜くなよー」と月は言われたが、
月は「任せろ」と言うと、先生からビブスを貰うと円陣を組んだ。「行くぞー!」と叫ぶ。
皆で、「おぉー!」と叫ぶ。君のクラスが現れる。男子たちは近くで応援している。
月が外野に出ると、君は月を見つけた。しかし、月は君を見つけれなかった。
午後の部、開始の笛が会場に鳴り響いた。