君との秘密の場所
ゴールしてからの会場は大盛り上がりで。
あちこちから悲鳴は聞こえるし、雄たけびみたいなのも聞こえる。
月は降ろしてもらったので、聞きたいことを聞こうとしたが先生が話し出した。
結果は六位。ゴールしたのはビリだったが、今日一、会場が盛り上がったらしい。
一位の人から順にお題を言っていく。
どの学校から何を借りてきたなど皆が言っていく中、君の番になった。
君の番になると、沢山の女子達が騒ぎ出す。「人気なんだね。」と君に言うと、「そうか?」と
君は首を傾げながら月の頭を撫でた。君が一仕草ごとする度、女子から悲鳴が聞こえる。
すると、先生が言った。「それではー!お題を発表してください!」と。
月はお題を聞きそびれている事に気が付いた。
もし、仲の良い友達、とかがお題だったらどうしよう、、と、考えた。
でも君のことだ。きっと、友達とかなんだろうなぁ。と月が諦めかけていたら、君が口を開いた。
「お題は、」会場の女子達が息を飲む音が聞こえそうな静かな空間。
「 好きな人だ 」
君がそう言うと、会場にいる誰もが叫んだ。中には、泣き出してしまった子も居た。
月が見たあたり、女子からの人気は壮大な物。アイドル的な存在。
君はお題を発表してから月の方を見た。「月、」といつもみたく、月の頭を撫でる君の手は
少し震えている気がした。
「返事は、?」と聞く君に、月は「少ししゃがんで、」と小さく言う。
君はしゃがんでくれた。君の耳元で、月は返事をした。君は、月を抱き上げて優しくキスをした。
もう、それはそれは、会場は大騒ぎで。お題は先生達が書いた為、先生達は何も言えない。
口を離すと、君と目が合った。君の耳はいつもよりも赤くて。「赤いよ。」と君の耳を触り、月は笑った。
君は借り物競争の最後を走るチームだったため、お昼に突入した。
先生が「騒いでるところ申し訳ないが、ご飯の時間にして下さいー!」と各校の生徒に伝えた。
この騒ぎの中、クラスの元へ戻らなくてはならない。このまま帰りたいレベルで戻りたくない。
「月。また後でな。」と、君は月の頭を撫でて光と行ってしまった。
月は担任の先生とクラスの元に戻ることにした。
月がクラスに戻ると、女子も男子も月を取り囲んだ。蜜は何も言わず、ただ月の側に居た。
月は、皆が質問をしてくる中で「ごめんね、これは言いたくない。」と話を逸らす。
君にとって、あの公園は何なのか分からないけど。月にとっては、君と出会った大切な場所で、
君と話すことが出来る唯一の場所。そこの場所を知れば、君のことが好きな女子は必ず一人は現れる。
それだけは避けたかった。あの公園は、あの場所だけは、ダメだ。そう思った。
君の方は月以上に大変だったみたいで、月の学校より大騒ぎ。
何なら、君の学校じゃない子も騒いでたとか。
月は、君が女子達に囲まれてるのを見て、「君のことをもっと知りたい」そう思った。