表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月が見てきた世界  作者: ばん.
3/13

偽りの僕

どこの誰かも分からない君。毎日は会えなくて、週一で会っていた。

毎週日曜日の朝~昼過ぎくらいまで。

月は、君に会える日曜日を楽しみにしていた。

月は話しているうちにいつの間にか君に恋していた。

 他愛もない話。それでも楽しかった。君との時間はあっという間に過ぎた。

月は太陽が亡くなってから、自分を傷つけるようになった。

自分なんか、と思ってしまうから。でも君と出会って、月の中で何かが変わり始めた。


月は、学校でも蜜以外の友達の前でさえ、”本当の月”を出していない。

出せていない。出す必要がないと思った。そして、蜜以外の子達は、月が”本当の月”を

出せていない、出していないことには気が付かない。

 何もかも飲み込んで、笑いたくなくても笑っているように見せて。

だから初対面の人にも、笑顔で接する。偽りの笑顔で。

 君とも、初めはそうだった。

接していくうちに、誰も気が付かなかった事を君は気づいて、君は月に

「本当の月が見たい」と、真っ直ぐな目で月を見て言った。

君は、月の素をまだ見ていないことに気が付いていた。

でも月は、「いつの間にか、こうだったから。自分が分からないんだよね、」あははー、と

君に言った。確かにそうだ。家でも学校でも、素を隠していたので本当の自分が

分からなくなった。推しに騒いでる間は素を出せている気がする。多分。

 月が君に「だから、ごめんね。見せれないどころか、分からなくて。」と言うと、

君は、「分からないなら一緒に探せばいい」と微笑んみながら、月の頭を撫でた。


君は優しい。誰にでもそうなのかもしれない。でも月は、君に惹かれていた。

月は、君が大好きになって、どんな時も何をしていても、君が頭によぎるようになった。

 月にとって、毎週日曜日はご褒美の曜日で毎週の楽しみになっていた。

そんな中、月曜日の朝のHRで担任の先生が「今週の日曜日、交流会をします」と

言い出した。月のクラスは、運動が大好きなクラスなので、絶対勝つ!といき込んでいた。

交流会と言っても、近所の高校が集まり、各校で中を深めながら点数を競おう!という、

親睦会、兼、交流会という年間行事だそうだ。

 交流会はドッジボールがメイン。他にも色んな種目はあるが、ドッジボールがメインだそうだ。

でも月はというと。「日曜日、、」とフリーズ。蜜は、「楽しみが日曜だもんねー」と

月の頭を撫でた。月は、せめて先週に言って欲しかった、と落ち込んでいた。

 運動は好きだ。特にドッジボールは大好きだ。でも、でも、会えないのは、、!!

「やだっっ!!!!!!!」どしたの~。と安定のオムライスを食べながら、蜜が聞いた。

 お昼に入っても、月は落ち込んだままで、中々立ち直れない。

交流会は良い。月も他校とドッジボールをするのは楽しみにしている。

 会えないのは、良くはないけど、良しとして。行けないということを、君に言えない。

いや、言う必要はないのかもしれないけど。言ったほうがいい気がするから。

「先生、まじかよ、、」と落ち込みながら、お弁当を食べた。



 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ