表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月が見てきた世界  作者: ばん.
2/13

君と僕の出会い

 月はいつも、毎週日曜日に買い物に出かける。食料の買い出しだ。

いつもの買い出しで通る道。子猫がいる公園も前を通る。


 いつも通り買い出しに行った帰り。見慣れた公園に居た君。

初めは止まって好奇心で見ていたが、君と目が合って、月は我に返って歩き出した。

不思議と見入ってしまった。

 ニット姿の君。身長は少し高くて、筋肉なのかガタイが良い。

属にいう、イケメン。イケメンは苦手だが、あの人は何か違うなぁ、と思った。

 次の日曜日。また会った。先週と変わらず本を読んでいる。

その日は先週より少し寒くて。マフラーとジャンパーをしてベンチに座っていた。

そこまでして外で読みたいのか、と見ていたら、また目が合った。

さすがに見すぎたかも、と思い、その日はお辞儀をして立ち去った。

 でも君は、次の日曜日にも、その次の日曜日にも、公園で本を読んでいた。

君は毎回本を読んでいたけれど、毎回姿勢が良かった。疲れないのかな、と思った。

 君を見つけて4回目の日曜日。月は話しかけることにした。

「なんて話しかけよう、、。こんにちは、で良いのかな。」と、不安になりながら

公園に向かった。君は、その日も相変わらず姿勢よく本を読んでいた。

 公園に着いてからも、話しかけていいのか、なんと話しかけるか、月は迷って悩んでいた。

するとそこに、子猫が現れて月の足元で小さく鳴いた。「ご飯あるよ、」と月は子猫に

持ってきたご飯をあげた。月が子猫を撫でていると、目線を感じた。

パッと前を向くと、君が優しい目をしてこちらを見ていた。話しかけるなら今だ。

月は、ご飯を食べ終わって大人しく月に撫でられていた子猫を抱きかかえ、君に言った。

   「こんにちは。」

それが、君に初めて声をかけた言葉だった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ