君と僕の出会い
月はいつも、毎週日曜日に買い物に出かける。食料の買い出しだ。
いつもの買い出しで通る道。子猫がいる公園も前を通る。
いつも通り買い出しに行った帰り。見慣れた公園に居た君。
初めは止まって好奇心で見ていたが、君と目が合って、月は我に返って歩き出した。
不思議と見入ってしまった。
ニット姿の君。身長は少し高くて、筋肉なのかガタイが良い。
属にいう、イケメン。イケメンは苦手だが、あの人は何か違うなぁ、と思った。
次の日曜日。また会った。先週と変わらず本を読んでいる。
その日は先週より少し寒くて。マフラーとジャンパーをしてベンチに座っていた。
そこまでして外で読みたいのか、と見ていたら、また目が合った。
さすがに見すぎたかも、と思い、その日はお辞儀をして立ち去った。
でも君は、次の日曜日にも、その次の日曜日にも、公園で本を読んでいた。
君は毎回本を読んでいたけれど、毎回姿勢が良かった。疲れないのかな、と思った。
君を見つけて4回目の日曜日。月は話しかけることにした。
「なんて話しかけよう、、。こんにちは、で良いのかな。」と、不安になりながら
公園に向かった。君は、その日も相変わらず姿勢よく本を読んでいた。
公園に着いてからも、話しかけていいのか、なんと話しかけるか、月は迷って悩んでいた。
するとそこに、子猫が現れて月の足元で小さく鳴いた。「ご飯あるよ、」と月は子猫に
持ってきたご飯をあげた。月が子猫を撫でていると、目線を感じた。
パッと前を向くと、君が優しい目をしてこちらを見ていた。話しかけるなら今だ。
月は、ご飯を食べ終わって大人しく月に撫でられていた子猫を抱きかかえ、君に言った。
「こんにちは。」
それが、君に初めて声をかけた言葉だった。