君との時間
家に着いた月は、リビングをウロウロ。
自分の部屋とリビングを行き来。帰宅してから、ずっとソワソワしていた。
公園から家がかなり近い月は、君からの連絡待ちの状態だった。
月から連絡してもいいのだが、いざ連絡しようとしても何て連絡すればいいのか分からず。
休みは明日。朝、行くところを決めたとしても髪の毛とか服装とか。きっと迷うから、今日中には服装だけでも決めておきたい。
月は、頭をフル回転させながらソワソワしていた。するとそこに、月の二つ上の姉、星が帰ってきた。
星は、手洗いうがいを済ませると「寒いんだよぉー」と言いながらコタツに入ってスマホを触っていた。
が、あまりにも落ち着きのない月を見て「なぁに。やかましい」と星が月に言った。
「何も言ってないけどね。」と月が言うと、へへッと笑った。
星は、恋愛上級者と言えるくらい色んな人と付き合っている。が、ほとんど続かない。
月は今まで、星にそんな話をしてこなかった。男の子の話はもちろん、恋の話など全く。
星が彼氏関係で良く泣いているのを見て、「どうしてそこまで彼氏が欲しいのか、」と思っていたぐらいだ。
星は、月がいつも推しが推しがと騒いでいるので「また推しかー」と思っていた。
が、月がコタツで寝転んでスマホを触っている星の真横に座った。無言の月。少し沈黙が流れて話し出したのは星だった。
「、、、、なんだい。」とスマホを触りながら、月に聞く。
「話を聞いてほしくて。」と月は今までの事を話し出した。
最初、軽く聞いていた星だったが彼氏出来たと聞いて「はぁ!?」と、スマホを投げて月の話をしっかり聞き出した。
そして最後に、「はよ連絡しろ、今すぐ。電話しろ。」と月を急かした。
月は自分のスマホを見て、連絡がまだないことを確認。自分からするしかない、と星にお礼を言い、自分の部屋に行った。
月が電話をかけようとしたとき、母が帰ってきた。「月ー、手伝ってー」とリビングから叫ぶ星。
「連絡したいのに、、」と、月はスマホと一緒にリビングに行き買い物袋の中を片付けた。
買い物袋の中を全部片づけ終わると、電話が鳴った。「月ー、鳴ってるー」と母。
月は急いでスマホの画面を見ると、君からだった。「誰からー」という母に、「みっちゃん!」と言い
リビングから離れて電話に出た。
「もしもし。」電話越しに聞こえる君の声。いつもより近くで声を感じる。
「月?聞いてるか?」「あっ、ごめん、なんだっけ」いつもより声が近くて緊張していた月。
「明日、朝8時半。いつもの公園で集合」それは決まった。「どこ行きたいとかあるの?」と月が聞くと、
「ある。けど、月には秘密だ。月が喜びそうな場所とだけ言っとくよ。」と楽しそうな声をする君。
君が楽しそうだから、どこでもいっか。と月は思った。「分かった。楽しみにしてる。」と笑う月。
すると、母にリビングから呼ばれたため「切るね、」と月が言った。すると、「あ、月」と君。
「ん?」と月が聞き返すと、「あ、いや、うん。また明日な。」と君が言った。
「また明日ね。楽しみにしてる。おやすみ。」と月が言うと、「おやすみ」と電話が切れた。
” また明日 ”
君と明日も会える。君と初めてのデートだ、寝れるかなぁと思いながら月はリビングに行った。