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月が見てきた世界  作者: ばん.
11/13

可愛い君

 15対20で、君のクラスが勝った。

「そら負けるよぉぉぉ」と、月のクラスの男子は言いながら帰ってきた。

お疲れ様ー、じゃあ行くかー!と月のクラスの女子は決勝戦に挑んだが、結果は14対11。

惜しくも負けてしまった所で、交流会終了の笛が会場に鳴り響いた。


 最後は閉会式と、交流会に参加した学校で成績が良い上位3校の表彰式。

月のクラスは呼ばれなかった為、全体で何位なのかは分からなかったが楽しかったから、月は何でもよかった。

 閉会式と表彰式が終わると、各自で解散になった。

各校行のバスが出ているため、月と蜜は乗ることにした。

ただ、会場の全員が一斉に動くと危険すぎるため、3校ずつ動くことにした

君の学校は、先に会場を出てしまった。「この後、会えるかどうか聞くの忘れた、、」と月が落ち込んでいると、行くよーと先生に呼ばれ月達は会場場を出た。

 蜜は月に飴を渡し、「これでも食べて元気だしなぁ」と月の頭を撫でた。

月は、遠くなっていく会場を見ながら頷いた。

  こうして、交流会は無事に?幕を閉じた。


学校に着くと、蜜は「はよ行きなー」と月を送り出した。

「みっちゃんは帰らないの?」と月が聞くと、「顧問に呼ばれてるんだー。」じゃあねー!と嵐のように過ぎ去っていった。

 明日は代休で休み。月は、蜜にもらった飴を咥えながら駅に向かった。

夕日が少し高い。少し肌寒いが、まだ耐えられる気温だ。

 「”あの子”に会いに行こう。」月は、駅の中に入ってからそう思った。

家の最寄り駅に着いてからは、真っ直ぐ公園に向かった。


「君に聞きたいこと、話したい事。いっぱいあるんだけどなぁ。」そう、ぼやきながら公園に来た。

「聞きたい事、話したい事、全部聞かせてくれるのか。」と、月の後ろから聞こえた。

「いるんじゃん」と月が驚いたように言うと、「いるよ。」と、君はクスクス笑いながらいつもの場所にいた。

 それから月は、君の隣に座った。最初、本を読んでいた君だったが本を閉じて月との間をつめて座りなおした。

「ブフッ」と月が笑うと、「なんだ?」と不思議そうに首をかしげる君。

 少し沈黙が流れてから、君が月の手を握った。「交流会、居たね。」と月が言うと、「あぁ」と言う君。

「朝、会いたくて公園に来たけどいなくて。」「あぁ」「寂しかった、かも」と、月は朝の事を君に話した。

 君は頷きながら、しっかり聞いてくれた。

「君が居ること、全然気づかなかった。」と月が言うと、「斜め後ろに座ってたよ」と君が言った。

だから、”あの匂い”、君の匂いがしたのだ。「よく、月だって分かったね。」と言うと、

「月はどこにいてもすぐに分かるが。」と君は不思議そうに言いながら月の頭を撫でた。

君は、当たり前かのように言う。これで、何人もの女子を虜にしたのか。と月は納得した

 月は、「どこを好きになったの。」と君に聞いた。

君は教えてくれた。月が自分を隠していること、月自身が月を嫌っていること。

一見、大人びて見えるけど実は弱くて小さな女の子だってこと。話していくうちに、月が本当の月じゃないと気付いて、

本当の月を見たくなったこと。

「本当の月を見て、呆れるかもよ。」月は優しく、弱く答えた。


   「月は可愛い」


君は、暗くなってきている空を見上げながら言った。

「本当に俺でいいのか。」と君が月に聞く。「君じゃないと、きっとダメだ。」と笑う月。

 君との時間はあっという間に過ぎていく。「そろそろ帰らないとな」と言う君。

帰りたくないなぁ。と月が思っていると、「明日。どこか行かないか。」と君。

「行きたい、行きたい!」と月が言うと、「連絡先交換しよう」と連絡先を交換。

 公園を出て、君は「帰ったら連絡する。」と月の頭を撫でた君。「分かった」と言う月。

送る、と言われたが公園からすぐ近くに住んでいるため、大丈夫。と答えて、二人は家に帰った。

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