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転生女神は自分が創造した世界で平穏に暮らしたい  作者: RYUJIN
第二章 魔導帝国オルテアガ編
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帝都襲撃2

「・・・どうやらこのゴーレムは只のゴーレムではないようです!皆さん注意してください!」


 ジャキ!シュイィィィン!


 ユナの声を皮切りにして、その場にいる全員が武器を構えた。


 ドゴォォン!!


 ガラララ!


「うあぁぁぁ!」


「きゃああああ!」


 その間も帝都では、そこら中で人造ゴーレムによる破壊音と帝都民の悲鳴が響き渡っていた。


「この様子だと帝都中でこのゴーレムが暴れているに違いないわ!!」


「これでは嬢ちゃんの捜索どころじゃないですな!ひとまずはこの()()()()からだ!行くぞリックス!」


「ええ!!行きますよ!『ファイアーボール』!!」


 リックスは備えていた炎魔導を発動してゴーレムの弱点である頭部を狙う。


 ガキィィィィン!!


 しかし、火球はゴーレムに直撃したものの、命中の瞬間に白銀の光に阻まれて消滅した。


「っ!防御魔導だって!?」


「ええ・・しかもあれは『上級防御魔導』ですね」


「ウソだろ!?なんだってたかがゴーレムがそんな魔導発動できるんだ!?」


 ユナの推測を聞いたマックスは驚きに声を漏らした。


「・・・理由はわかりません・・ですが一つ言えるのは『上級防御魔導』が発動しているのであれば通常の魔導や攻撃は通じないということです!!」


 ゴォォォン・・・。


 ファイアーボールを頭部に受けたゴーレムはハーティ達を本格的にターゲットに捉えて、その大きな拳を振りかぶって迫ってきた。


 ドォォォン!!


「っつ!速い!」


 先ほどの斬撃で一番ゴーレムと距離が近くなっていた為に真っ先に狙われたユナは、ゴーレムの速度に回避が間に合わないと判断すると、両手で支えた剣の腹によって振り下ろされた拳を受け止めた。


 ドガァァァン!


「っく!!」


 ゴーレムの打撃はユナ自身の『上級防御魔導』と『ブースト』によって上げられた身体能力で受け止めることが出来たが、その衝撃でユナの足元の石畳は激しくめくり上がって地面は深く抉り取られていった。


「・・・すげぇ、ユナ様・・あのゴーレムの打撃を生身で受け止めたぞ・・」


「半端ないんだな・・・」


「『ブラックスミス』のみなさん!このゴーレムは防御魔導を行使するので通常の攻撃では太刀打ちできません!ここは私たちが何とかしますので、皆さんは帝都民の避難誘導をお願いします!!」


「・・・悔しいがそうした方が良さそうだな・・・おい!グロック!リックス!いくぞ!!」


「了解なんだな!」


「わかりました!」


 そう言いながら『ブラックスミス』の三人は駆け出そうとする。


 そして、リックスが駆け出した状態からハーティの方へ振り返った。


「ハーティ様、くれぐれもお気をつけて!!!」


「そっちも気を付けてくださいね!!」


 ドガァァン!!


 ドォォン!


「っく!」


 ドドーン!


 ハーティが会話をしている間も、ユナはゴーレムの激しい打撃を回避したり受け止めたりしていた。


「ユナ!大丈夫!?」


「く!・・私は大丈夫です!とにかく普段通り、ゴーレムの頭部を切り落としてみます!」


 バッ!


 そう言うとユナはバック転をしながらゴーレムとの距離を取る。


 ダンッ!


 そして地面を蹴って高く飛び上がると、ゴーレムを頭部から竹割にするべく、『女神(イルティア)(・レ・)(ファティマ)』をまっすぐに振り下ろした!


 シュパン・・・!


『還元』の魔導により全く抵抗なく食い込むブレードが頭頂部からゴーレムを縦割りにしながら下りて行く。


「っ!!」


 しかし、それが胸元に差し掛かろうとした時、ユナが驚愕の表情を浮かべながら不自然に体を捻って斬撃をやめた。


 そのまま体制を崩して着地したユナは、頭部を切られたことにより機能停止して倒れてきたゴーレムに踏み潰されないように飛び退いた。


 ドォォォン!


 そして、土埃を巻き上げて転倒したゴーレムの巨体を眺めながら、肩で息をしていた。


「・・ユナ!?どうしたの?なんだか不自然な斬撃だったけど・・・」


「・・・ハーティさん、今ゴーレムを斬った時に・・胸元の結晶のような物の中に獣人らしき人影が見えました。なので、斬撃を途中で止めたのです」


「!!」


 それを聞いたハーティは直ぐにゴーレムの胸元へと向かった。


「・・っ!これは!?」


 ハーティがゴーレムの結晶を覗き込むと、そこにはユナの言う通り、獣人の子供が収まっていた。


 結晶の中にいる獣人は、その様子からひとまずは生きていることが確認できた。


「早く助けないと!!」


 そしてハーティはその結晶から獣人を助けるべく、それを叩き割ろうと拳を振り上げる。


 しかし、それはユナにその腕を掴まれることによって止められた。


「ハーティさん!今この獣人がどのような状態でこの結晶に収まっているかわかりません。無理に取り出すと何が起こるかわからない以上、ひとまずは魔導工学に詳しい人物に確認を取るべきです」


「・・・それもそうね・・」


 そして、ハーティは力なく拳を下した。


「あとで、クラリスに状況を説明してみましょう。ただ、確実にわかることは現在帝都で暴れているゴーレムにはもれなくこのような形で獣人が取り込まれているということですね」


「おそらく、このゴーレムの異様な高機動性と備わっている『上級防御魔導』や飛行能力にこの獣人が入った結晶が関わっているかと思われます」


「・・シエラちゃんは大丈夫なのかしら・・」


「・・それは・・わかりません。ですが、こうなった以上は全てのゴーレムの機能を停止させて、この結晶から獣人たちを助けないといけません」


 キィィィィン!


 その時、一機の魔導機甲(マギ・マキナ)がハーティ達の上空を通過するのが見えた。


「・・・・っ!あれは!!」


「間違いなく私たちが以前『ロック・キャニオン』で目撃した『黒の魔導機甲(マギ・マキナ)』ですね」


「どうやら宮殿の方へと向かったようです」


「・・・あれの目的はわからないけど・・少なくとも味方ではなさそうね・・!」


「だとすれば宮殿にいる人たちが危ないわ!」


「おそらく『上級防御魔導』を打ち破ってゴーレムと真面に戦うことができるのは、私たちとクラリスの『プラタナ』ぐらいですね」


「私は『飛翔(フライ)』であの魔導機甲(マギ・マキナ)を追いかけるわ!ユナは胸部の結晶に注意してゴーレム達を各個撃破してくれる?」


「了解しました。ハーティ様、お気をつけて」


「ユナもね!」


 ドォォン!


 そう言うとハーティは『飛翔(フライ)』の魔導を発動して宮殿の方へと飛び立った。


「・・・・ふぅ」


 ユナはそれを無言で見送ると、最寄りのゴーレムの方へと顔を向けた。


「神聖イルティア王国騎士爵位第一位、『聖騎士』ユナ・エインヘリアル・・・行きます!!」


 ドォン!


 そして、ユナは『女神(イルティア)(・レ・)(ファティマ)』を構えると、勢いよくゴーレムに向かって飛び出した。


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