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転生女神は自分が創造した世界で平穏に暮らしたい  作者: RYUJIN
第二章 魔導帝国オルテアガ編
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進級試験1

誤字報告ありがとうございます!この場でお礼を申し上げます。

 ハーティが初クエストを終えてから二日後の朝。


 ハーティは『暁の奇跡亭』で朝食を食べていた。



「ほぇー『二級冒険者』の進級試験ですか。たった一回のクエストで凄いですね!さすがハーティさんです」


 ハーティの実力を知っているシエラは、ハーティがいきなり進級試験を受けるということに全く疑問を持っていないようであった。


「でも、試験相手として指名依頼を受ける人が可哀そうですよね・・・プライドを傷つけられなければいいですが・・」


「寧ろギルドの試験会場が無事で済むか心配ですね」


シエラとジェームズはうんうんと頷いていた。


「・・・いったい二人は私の事をなんだと思っているのよ」


「魔弾・・」


 シエラは耳をペタンと伏せながら小さく呟いた。


「ぐっ・・・」


「だ、大丈夫よ!きっとなんとかなるわ!」


「お願いですから相手の冒険者を消し飛ばさないでくださいね!」


「・・も、もちろんよ!」


 本気でシエラに心配されたハーティは、朝食を平らげるとすぐに冒険者ギルドへと向かった。


 ・・・・・。


 ・・・・・・・・。


 ウィーン。


「あ、ハーティさん!お待ちしてました!早速ギルドマスターから試験会場への案内を頼まれていますので、こちらへついて来てください」


 相変わらず他の冒険者達からの視線を浴びながら受付ロビーを歩いていると、リーシャの方からハーティに声がかかった。


 ハーティはその声を確認すると、リーシャに連れられて冒険者ギルドの模擬訓練用施設に向かった。


 そして、冒険者ギルドの建屋を出てから十分ほど敷地内を歩いていると、高い塀で囲まれた場所に到着した。


「ここが当ギルドの訓練施設です。主に今回みたいな冒険者達の進級試験などに使われる施設ですよ」


 ガチャン・・ギィィィ。


 そう言うとリーシャは塀にある入り口の門扉にある南京錠を開錠した。


 塀は数メートルの厚みがあり、扉は塀の内側と外側の二重構造になっていた。


 そして二枚目の扉を潜ると、内部は一辺が百メートル程の正方形状をした、石畳敷きの開けた空間になっていた。


 そこは完全に戦闘訓練をする為だけに整備された場所という感じで、イルティア王宮にあった闘技場に比べれば観覧席も無く、だいぶ規模も小さい施設であった。


「やあやあ待たせたね」


 そして、ハーティが施設の内部を見渡していると、クランが後から遅れてやってきた。


「今日はわざわざすまないね、今回模擬試合相手にお願いした『二級冒険者』はうちのギルドでもかなりの強者になるんだけど、なかなか気性が荒くて普段はこんな依頼を受けないんでね。ちょっと説得と段取りに時間がかかったんだよ」


「じゃあ早速来てもらおうか。おーいみなさん!準備ができたので入ってきてくれませんか!」


 クランがそう言うと、入り口通路の向こうから複数人の影が近づいてきた。


「全くなんで俺様がこんな依頼を受けなきゃならねぇんだよ!」


「報酬がいいから仕方なく受けるっていっていたんだな」


「まあ、どんな『二級冒険者候補』か知りませんが、私たちがいたぶって現実というものをわからせぇぇぇぇ!」


 リックスは眼前に立つハーティが視界に入ると、最後まで言葉を発することができずに目玉が飛び出す勢いで目を見開かせながら驚きを露わにしていた。


「は、ハーティ様・・おい!クランさんよぉ!俺たちの相手が『ハーティ様』だなんて聞いてないぞ!悪いがこの話は下させてもらう!」


「い・・命がいくつあっても足りないんだな・・」


 三人は顔を青ざめさせながら完全に恐怖していた。


「ハーティちゃん・・『ブラックスミス』と知り合いなの?」


「え、ええ・・前に()()()()()()()()機会がありまして・・そうですよね?」


 コクコク。


 ハーティがそう質問を投げかけると、三人は壊れた人形のように首を縦に振った。


「ハーティちゃん、今回はあくまて『模擬試合』だから、武器は真剣をつかわないし、攻撃魔導からは防御魔導が付与された専用の腕輪を試合の時に貸与するからそれによって守られる。だから死んだり大怪我を負ったりすることは殆どないから安心してね?」


 そう言いながらクランはハーティの手を取った。


「真剣を使わないとかそんな問題じゃねえよ!こっちの命を心配してくれよ!ってかこんなところで試合して大丈夫なのかよ!ってか試合をする体で話を進めてるんじゃねぇよ!」


 マックスは余程ハーティと戦いたくないのか、捲し立てるようにクランに詰め寄っていた。


「・・とにかく、指名依頼を承諾した以上は原則依頼達成前放棄は認められません。もし放棄するとなればかなりのペナルティが課せられますよ?」


「・・・・それはわかっている・・だが命には・・」


「いや本当に何があったんですか?マックスさん・・・」


 マックスのあまりもの狼狽えっぷりにクランは怪訝な表情を向けていた。


「あのー」


 二人のやりとりをみて、ハーティはおずおずと話し始めた。


「マックスさん、これはあくまで『模擬試合』ですし、私も()()()()()()()()()()()つもりです。ですから安心してください。ね?」


「・・・ハーティ様がそこまでおっしゃるのであれば、この依頼・・きっちりこなしましょう。ただ・・本当に()()()()()()ね?」


「・・・わかりました」


「・・・どうやら双方の話も纏まったようですので試合開始といきましょうか」


「一応模擬試合だけど、原則進級試験はパーティ単位で行うのが通常なんだ。ハーティちゃんはソロで活動しているから、今回は一対三の試合になってしまう。だから希望があれば三人の中から誰かを選んで一対一の試合も可能だけどどうする?」


「やめてくれ!!!」

「やめるんだな!」

「やめてください!」


 クランの言葉に『ブラックスミス』の三人がほぼ同時に拒絶を表した。


「私は一対三でかまいませんよ?はじめましょう!」


「そ・・そう?なら構わないけど、相手はベテラン冒険者だから負けても気にやまないでね!それじゃあ試合用の木剣をどうぞ」


「ありがとうございます」


 ハーティとマックスとグロック(リックスは純粋な魔導師なので木剣は必要ない)はクランから木製の武器をそれぞれ渡された。


「そしてこれが『中級防御魔導』が付与された腕輪です。非常に高価な魔導具なので、破損しないようにしてくださいね」


 そう言うと、クランは全員に魔導式が刻まれた魔導結晶付の腕輪を手渡した。


(私の髪飾りの下位互換だから全く意味ないけど、一応受け取っておくか・・・)


 そして、ハーティも腕輪を装着した。


 全員が腕輪を装着し終えると、所定の位置についた。


「では模擬試合ルールの最終確認です。試合には木剣を使用します。魔導の行使はお互いに中級防御魔導が発動している状態ですので、ある程度の攻撃魔導は使用可能です」


「敗北の条件は戦闘不能になることです。なお、今回防御魔導が発動しているので、まずはそれを破ることが必要となります」


「試合時間は防御魔導の発動限界が十分間なので、それに準拠する形となります。以上、双方質問ございませんか?」


 クランの発言を聞いて、四人は静かに頷いた。


「・・・・・ではこれより四級冒険者ハーティの進級試験を開始する・・・・試合始め!!!」


 クランの掛け声と共に、四人は勢いよく飛び出した。





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