第8節 研究つくされていた賢者の術
今回はスラップスティックを意識してかきました。
テンポとかスピードとかの工夫を感じていただけると幸いです。
中でスカトロ表現一行だけあります。
苦手なかたは、読み飛ばしてくださいね。
次の日の朝、夜が明けぬ前に、街では大変な騒ぎになっていた。
全員が浮き足だっていたのだ。
それは、夜明けとともに全容を現した・・・
夜明けの平原に黒いシルエットを現した、大量の攻城兵器の列であった。すでに射程範囲内にあり、いつでも城壁を破壊できる大石を投げる直前にまでになっていた。
「チュチュムさま~」
アントニオが泣きながらやってきた。あのーまだ寝てるんですけど。どうして私の枕の横にいるんですか・・・しかも近いよ・・・10cmだよ・・・うわ、ニンニク臭い・・・
俺も前世ではかなり臭いほうだった。風呂を節約してたからね。
俺の新大久保のマンションは、自慢じゃないが、シャワーがすごい。
なにしろワンハンドルで水しか出ないし、極太直径の水だ。
・・・いや単なる水道水です。ごめんなさい。冬でも会社に行く前は、水を贅沢に使ったタオルで清めて、聖修行を心掛けていたのじゃ・・・ごめんなさい。風呂なしアパートです。
寂しくなってきたから、話題チェンジ!
「そうそう、アントーニオ、どうして君はここにいるの?」
アントニオは、
{もう終わりです。チュチュム様}と泣いてるだけだ。
埒があかないので、広場にいた副官をよび、事情を聴いた。
・
「あ、そういうことなの・・・ボビーノ平原にいってみようか」
アントニオも泣きながらついてきた。おいその鎧返せよなと心の中で思った。
俺は門の外にでて、すべてを悟った。トレンチを掘って、その中に敵兵は隠れている。
いつのまに・・・そうか夜のうちにだ。ボビーノ軍平和ぼけだよな・・・
俺がそうつぶやくと、アントニオが申し訳なさそうにすみませんといった。
しっかり情報収集しているんだ。見えなければ俺の力が発揮できないとやつらは踏んでいるようだ。だから、攻城兵器でどんどん城壁を壊し、あとから攻め込もうという魂胆だろう。賢者チュチュムも石につぶされる可能性もあるから・・・一石二鳥じゃなくて、一石で城壁とチュチュムペッちゃんこ作戦とか名づけてるかと思うと腹がたってきた。
俺たちが出てきたことに気づいたようで、宣戦布告のために、敵将が出てきた。
なんと最初から裸だ。最初から計算ずくなわけだ。しかも股間はなんか小さな三角形の布で覆い、首からひもでつっている。これは取り上げても嫌だな・・・アイテムボックスが穢れるぜ。いやそういうことじゃなくて、きも~。きもいんです・・・
おれだったら、勇敢にチュチュム様に装備取られてやるぜ・・・そういう問題じゃないですね。ごめんなさい・・・
「ボビーノよ。今より宣戦布告する。石につぶされる前に早めに逃げたほうがいいぞ」
「全軍投擲!」
すごい数の大石が飛んできた・・・
うちの兵士は、あんなにいい鎧をあげたのに、みんな反対側の都市の城壁にへばりついているらしい。副官がなさけなさそうにいった。
さて、仕方ない。できるかどうかわからないけど、石を取り込んでみよう。
もうめんどくさいので呪文はなしだ。すべての石よ。わがアイテムボックスに入れと念じた。石はすべて空から消えていた。うは、すべて消えてないぞ・・・どういうことだ。
いやだよ・・・う〇こ飛ばしてくるなよ・・・
そういえば、中世の攻城戦の本を読んだことあるが、家畜の死体とか、いろんなものを飛ばしてくるらしい。これが、城の中の衛生環境を悪化させ、流行病とかの原因となり、苦しんだらしい。やり方汚いよな・・・正々堂々といこうぜ・・・まぁ俺が一番ずるいけど。
なんか腹たったので、攻城兵器がアイテムボックスに入れらないか、やってみることにした。今まさに、ばねを張り。飛ばそうとしている。あ、入らないか・・・でかいもんね。あれが入ったらチートだぜ。いや今でも十分チートですぅ~
ええい、だめならまた石をとりこんでやればいいさ。
後ろのボビーノでは、賢者チュチュム様が、石をすべて消したと騒ぎになっている。みんな現金なもので、城壁の反対側からみんな歓声をあげて走ってきているようだ。いかん、このままだと石につぶされるものがでる。おれはやけくそになって呪文を唱えた。
「ええい、貧乏暇なし、肩パットなし、パンツのゴムは切れてなし!」思いつくままに日本語で唱えた。それらしいほうが、味方が盛り上がるからね。
攻城兵器は消えなかった。
しかし、石は飛んでこなかった。どうなったかって? 飛ばすためのばね装置が消えてしまったようだ。カタパルト装置はロープと大きな弓を組み合わせたものが多いが、アイテムボックスにはそこに使われていたと思われる弓やロープなどが沢山取り込まれていた。
ゴムを使っているわけではなく、木の反発力を使っていると思ったが・・・
我ながらテキトー具合に呆れていたが、この隙にしっかり飛ばなかった石も、置いてある石もすべて取り込んでおいたぞ。
それから、城壁が破壊尽くされてから突入しようとしていた兵士たちが、やることがないので、やけくそで突貫攻撃をしかけてきた。あとは前回と同じだ。
敵軍からすべての装備を奪い、下着もまた奪ってしまった・・・股間を押さえて逃げ出す兵士たち・・・
気持ち悪いお尻は見たくないな・・・次回は下着は残してやろうとチュチュムは思った・・・って俺は進だ。
敵軍が去ってから、独り最前線に立っていた俺は、むなしくなっていた。きっと、俺は変態賢者と呼ばれてるんだろうな・・・
なんだか体が重く感じたので、アイテムボックスをみると、石だらけだ。しかもスタックできない。こんなのが沢山あるので体が重いのかもしれない。
アントニオを呼んで、石置場がとこかにないかと尋ねる。
丁度、近くに底なし沼があって埋め立てできなくて困ってるということなので、そこまで案内してもらって、すべての石をドラッグアンドドロップしておいた。マウスがないからまた今回も目力だ。う、やばい、目が筋肉痛だよ・・・
まだお昼にもなってないじゃん。
さてと。じゃ、巫女様と貧乏神子ちゃんを探しにいこうか・・・
「デート、デート、巫女様とデート」俺は変な歌でスキップして門に戻っていった。
う、城壁から市民全員がみてるよ・・・しまった。おれのイメージ、面目まるつぶれだ・・・
追い打ちをかけるようにアントニオがいった。
「賢者さま~、午後は例の趣味のお部屋を、一緒にさがそうっておっしゃってたじゃないですかぁ?」
あ、このタイミングで趣味の部屋って、そりゃ変な意味にとられちゃうよ・・・
千人の目が、じと目で俺をみてる。俺、千人に殴られて踏まれて死んじゃうかも・・・
いかがでしたか?
ドタバタしてましたか?
次回は緩急つけて、シリアスに行きますよん
よろしければ、評価お願いします。
あと、ブクマありがとうございます。
明日また夜にアップするつもりです。
神聖祓魔師も宜しくお願いします。