第3話:変人の日常
結磨様に話しかけようと試みた龍
けれど結磨様の幼馴染みにはねかえさえれてしまう
結磨様と話すのを諦め、受験勉強に没頭した
…のはいいんだけど!?
あれから僕と長崎はあまり関わらずに中学生になった
もう僕と長崎の関係は途絶えたはず…だった
はずだったのに…
同じ学校ってなんなんだよ!?
クラスまで一緒だし!
ちなみに田辺も同じ学校…クラスは違うけれど
まぁ別に長崎の本性を知らなかった4月はそんなこと「ちょっとしたいいこと」くらいにしか捕らえていなかったんだ
―10月
「しょ〜〜〜っうっちゃ〜〜〜〜〜っんっ☆」
ウゲッまた来た!
僕と友達の鈴木翔がお弁当を広げた瞬間、長崎は3秒で飛びついてくる
「お弁当食べよー!あ、沼も一緒だよ★」
沼…本名大沼由紀は、長崎と1番仲がいい
まぁ少し長崎のテンションについていっていないときもあるけど
「なにいってんの!?鈴木は僕と食べるの」
「お黙り!結磨様に逆らう気!?大体、MEの翔ちゃんなんだからなにしたってMEの勝手だし、ME様が回ってるから地球が回ってるのよ!?少しくらいご褒美があったっていいじゃない!」
「いつからお前の鈴木になったんだよ…」
「翔ちゃんが生まれる前から!あんたとセットで100円で買ってあげたのよ!」
「…俺、長崎より先に生まれたんですけど…」
こんな会話が日常会話
まったく…長崎は塾のときはすっごくおとなしかったのに…
中学に入ってからエロいしナルシーだし…教室で踊るし…
まったく…
「変人のクセに!」
ボカッ!
「はーちゃ〜ん★私様は普通よ?変人じゃないから〜」
いや、うそ言うなよ…
僕、羽山龍は長崎から「はーちゃん」と呼ばれるようになった
ていうか…女子と一緒にお弁当食えよ!(←殴られてすねた(笑))
友達いねぇのかよーーーーーー!!
「なんだまた長崎一緒なのー?」
「もう日常だよなー」
僕たちがお弁当を食べ終わる時間帯に、学食組の菅浦恭介と原野学が戻ってくる
同時に大沼は女子の元へ戻る
…長崎はまだ滞在
「セクハラ社長と係長じゃないか、社食はもう食べたのかね?」
「なんじゃそりゃー(笑)」
「俺セクハラ社長ー?」
笑い声が響く中で僕も笑う
正直長崎は面白い!
「でもさぁ長崎がきてからこのグループあかるくなったよなー」
「ホントホント!」
…そうだ
僕たちのこのグループは、前まではクラスでも嫌われた男子が集まって、休み時間ひっそりとすごしてた
でもいつからだろう…
長崎が翔を思いきり笑わせてた
翔も、学も、恭介も…僕も笑ってた
僕らがどんなに滑ったギャグを連発しても、笑ってくれた
時にはだめだしもしてくれた
…正直、長崎はすごい
そのうち僕らは、いじめられなくなって、昼休みには一番騒ぐグループになっていた
「マジ感謝だって!」
「やだ〜係長〜そんなことありませんよ〜(笑)」
キーンコーン…
「もう授業ジャン」
「そうだね〜シーユー★マイリトルベイビー★」
…どうやったらこんなに変人になれるんだろう
…本日4回目のチャイムがなり終わった
みんな一斉にドアから出て行く
…でも僕たちはその前に
勝負だ!!
「すーーーーーーず…「翔ちゃ〜〜〜〜〜ん★★」」
「…なに?長崎」
「今日何時に帰っちゃう系?」
「もう帰るよ」
「じゃぁ一緒帰ろう〜〜★」
…負けた
いつもチャイムが鳴り終わるとどっちが先に鈴木を誘えるか勝負している
当然勝てるわけないのだけど
「…あんたなにやってるの?20円」
「に…20…?」
長崎は僕を指差した
「そう!あんたのこと!あんたたちを買ったとき翔ちゃんが80円、あんたが20円だったの!あんたも一緒に帰る?」
はぁ…まったく
「うん」
こいつは
「えへへっ!うそだよ!3人で仲良くかえろ!」
いいやつだか悪いやつだか
わからない
次回、結磨様が…泣いちゃうかも!?
泣いてなんかない!はーちゃんのばかぁ!
<結磨様より>