第一話:変人転入生?
行きたくない
絶対に行くもんか!
僕の名前は羽山龍
一応今日から中学受験生
…でも全然やる気はない(笑)
噂によると今日から塾の先生も結構厳しくなるみたいで
「はぁぁぁ〜〜〜〜いやだなぁ塾なん…「どうした羽山ーーーーーーーー!」
塾の前でため息をついていると後ろからキレのある声が聞こえた
今日から僕らの担任になる林先生だった
「なぁにため息なんかついてるの!転入生に笑われるよ!」
「…テンニュウセイ?」
初めて聞いた
転入生なんてくるんだ
「そうなんだよーー!女子なんだけどねぇ!いやまたかわいくって!」
えろじじいかよ(笑)
僕は一人で騒いでいる先生を放って教室に向かった
僕の席は真ん中の前から三番目の席だった(はずだ)
…ガチャ
久しぶりに教室のドアを開けた気がした
あれ…
いつもと違って教室が静かだった
「…どしたの」
僕は後ろの席の五木港に聞いた
゛転入生”と港は口ぱくで言う
…もう来てたのか
「なんか顔とか気になるんだよな」
「は…五木なにいってんの?女好き?」
「いやそうじゃなくてさ」
五木はちらちらと転入生のほうを見ながら言った
「隣のクラスの田辺と幼馴染みらしいけど、アイツ、かわってるっぽいよ」
「変わってる?」
転入生の名前は長崎結磨
基本的に一人でいることは少ない
一見クラスの女子全員と友達かと思えるけど、本人に聞くと「友達いない」と答えるらしい
またボーっとしてることが多い
「授業始めるぞー」
林先生の声で僕はあわてて前を向いた
長崎…結磨か…
その小さな背中を僕は目を細めてみていた