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鬼の魔法使いは秘密主義  作者: 瀬戸 暁斗
魔法高校入学編
34/101

エピローグ

 数日に渡った暁月に関する騒動も終息し、蒼真、直夜、澪の3人は元の日常を取り戻していた。

 しかし、テロリストによる被害を受けた東京魔法高校では、戦いの中で破損した校舎や大穴が開いた校庭、加えてこの事件を踏まえたセキュリティの強化のための設備増設が行われ、一週間ほど自宅学習となっていた。

 ただ一週間で終わったのは、魔法による建築技術の進歩や光阪家からの人員、資金の提供があったからであろう。魔法発展以前の旧時代なら、もっと大規模な工事となり、工期も長かったことだろう。

 そこで問題になるのが学校の予定なのだが、魔法高校は二学期制であるため、騒動が終わってから中間試験まで一ヶ月以上期間がある。自宅学習によるカリキュラムの乱れも、一週間程度であれば取り戻せる誤差である。

 まだ試験まで時間はあると内心余裕を持っていた直夜だったが、試験前期間に澪からのスパルタ授業を受ける事になるのはまた別の話だ。

 そして騒動の中心人物であった暁月はというと、如月、霜月と共に京都の結城家本家まで移動し、匿われていた。

 魔法高校で起こった事件について、彼の存在は隠すように報道されていたため、一般人の前に出る程度では事件の関係者だと気づかれる心配は無いのだが、水戸守や闇斎をはじめ、「七元素」には彼が普通の人間や魔法使いとは異なる存在であることは知られている。

 もしも「七元素」に見つかってしまうと、再び実験体として扱われることとなるか、刺客を送られて暗殺が計画される危険性がある。

 そのため彼は外に出る事は出来ないが、結城家の施設内で如月から魔法のレクチャーを受けて練習をしたり、謙一郎の助けも借りながら暴走状態のコントロールに時間を費やしている。


「暁月さん、毎日訓練続きで大変じゃないですか? たまには休んだ方が良いと思いますよ」


「大丈夫だ。魔法も使えず、暴走を繰り返すようではあの人の……ボスの足手まといになるだけだ。俺は一生を費やしても返しきれないほどの恩を、あの人から初めて受けたんだ。大変なくらいで休んでいられない」


 暁月は手にした補助装置に魔力を注ぐ。如月が用意して、蒼真が調整した暁月専用の——彼にとって初めての補助装置に。


「だから、まだまだ勉強し足りないんだ。これからもいろいろ教えてくれよ、如月」


「はい!」


 春は出会いの季節でもあり、彼らにとっては再会の季節でもあったのだ。

お読みいただきありがとうございます。

この話で一章となる魔法高校入学編は終了です。

次話からは、第二章の夏休み編に突入します。

故郷に帰った蒼真達の戦いをお楽しみください。


感想、評価、いいね等いただけると嬉しいです!


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