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黄昏にて  作者: にわせたか
第1章 再出発の町
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3 レナトス北壁(3)

 シュウは片手で手綱を握り込み、直進していたフラムを切り返した後、停止させた。

約30メートル先には先ほど切り伏せた『敵』が絶命していた。


一瞬の出来事に気付いた他の仲間達の意識が流星の如く現れた一人の人間に集中する。

『敵』からの視線、相手から沸き立つ憎悪の感情にシュウは更に心を引き締める。


仲間が瞬時に倒された『敵』達は狙いをシュウに定めたようだ。


 『敵』・・・・・・それは『亜人』と呼ばれる存在であり、シュウの目の前にいる亜人は亜人の中でも「ウェアウルフ」と呼ばれる存在であった。


現在の食物連鎖を表すピラミッドの頂点は人間ではない、正確にはピラミッドの頂点がなくなり、その下位に「人間」、「亜人」、そして「幻獣」の3種が存在する台形となっている。


「亜人」は人間とほとんど変わらない容姿であるが、どこか人とは違う特徴がある種族である。


「幻獣」は現在の動植物がそれぞれの特徴を伸ばし、ほとんどが巨大化しているのが特徴である。


「亜人」「幻獣」、どちらも種のほとんどがなにかしら人間に対し、心に負の感情を持っている。

それは人間に対する、怒り、憎悪等の攻撃性を持つものであったり、畏怖、恐怖、嫉妬等の人を忌避するものであったりである。


 亜人の中でウェアウルフは胴部から覗かせる短い尻尾、頭部にちょこんとある耳あることを除けば、ほとんど人間と変わらない容姿であった。

しかしながら、人間に対しての攻撃性があり、その身体能力は人間を上回り、それは人間と比べ約2倍、跳躍力に至っては約5倍程度もある。

ウェアウルフ達の文明レベルは低いようで、この場にいるウェアウルフ全員がボロボロの布切れを着ており、武器もなにも持ってはいない。

レナトスの町から外は主にウェアウルフの生息域になっており、神出鬼没に表れては人類に危害を加えていた。


いままでの調査により、ウェアウルフは一族の中で強大なボスを頭に、ゲリラ戦法で集団で人を襲う事を好んでいた。

ウェアウルフの住処はレナトスの町からそう遠く無いところに一ヵ所に固まっているとされ、そこから町の外壁近くまでやってくるという。しかし、長年調査を行っているが、見つけ出すには至っていない。


シュウは子供の頃からウェアウルフを始め、ほとんどの亜人は人類に害をなすだけの存在と教えられてきた。



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