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黄昏にて  作者: にわせたか
第1章 再出発の町
30/56

28 オタリア(10)

その後、北壁でシュウは英雄ごとく迎えられた。胴上げされ、周囲から労いの言葉をもらった。

一際賑わった後、隊長の指示で、壁内の復興について話し合われた。壊された建物や道路の片づけは北壁警護隊でも可能だが、その後の再建はこの町に全体で協力していかなくてはいけないと誰もが感じていた。昨日までの日常を取り戻すには、長い時間が掛かかりそうであった。

幸い、インフラ関係や、民間の住居についてはそこまで被害はでなかった。なるべく海岸沿いの、建物が少ない経路を選んだシュウの功績であろう。


シュウの元に、ウェインがやってきた。シュウはウェインから今回の裏方の経緯を伝えられた。

オタリア達の襲来後、サニーが各方位への指示により、民間の被害はこれ以上なく最小限に抑えられた。また、北壁警備隊隊長や港の漁師団団長にも円滑に情報が入った。

偶然両隊長、団長が渚停にいた為、その場で話がされ、作戦がすぐさま練られた。当初はウェイン他数名で今回のシュウの代わりにおとり役とする話で進んでいたが、ウェイン達が馬の準備を進めていると、そこに何かを察知したのかフラムがやってきた。

そこでゴーリキ隊長が予備プランとして、フラムにも装備を持たせ、ウェインがフラムも引き連れて浜辺へと出発をした。フラムは北壁警備隊の間でも賢いという評判もあったし、フラムは何も誘導しなくても理解しているかのようにウェインに付いていったのである。

ところが道中で、フラムは主人の場所を察知したのか、ウェイン達にお構いなしに猛烈なスピードで引き離して走り去っていったということだった。


「いや、正直こいつの速さには驚いたよ、しかも相手は馬だし、指示もしていないのにおまえの元に駆けつけてたんだからな。なにか、フラムとおまえの間に不思議な絆を感じたよ」


ウェインは片目をつぶってシュウに話した。この男は少し話下手で、恥ずかしくなると片目をつぶって話すのが特徴であった。


「・・・まあ」


ウェインは崖上に立ち、対岸を見ながら少し震えながら


「この崖を飛び越えるのは、正直俺には無理だ。誰だよ、こんな作戦建てたの・・・」


ははは・・・とシュウは苦笑いしながら先輩をなだめた。正直、シュウもこの町でこの崖

を飛び越えれる馬はフラムしかいないと思っていた。


 シュウはウェインと雑談をした後、その場を後にした。漁をしていた浜辺方向にフラムと共に帰っていくと、会いに行こうと思っていたサニー達に丁度よく出会えた。


 その場にはオーランドもおり、作戦が成功していた情報は全員に共有できていた。

 サニーは勢いよく走ってきてシュウの手を握った。シュウは手を握られ、少し涙目のサニーを内心かわいらしく思い、恥ずかしくなり緊張してしまった。そのシュウの様子を見たサニーも自身がした行動に恥ずかしくなり、顔を赤らめながら顔を沈めていた。周りもその様子を見ながら笑っていた。全員これまでの緊張がほどけていった。


 その後、今回の漁のメンバーは騒動もあり、全員は散り散りなって集まらなかったが、残った者達で日が暮れるまで、漁と周辺の破壊された建物の片づけを行った。

 

その後、渚停で打ち上げを行った後、それぞれ解散となった。


後日、テオ町長並び、議会で今回の事件について討論された。町の復興について、東西南北の警備の内、東側は海でいままで亜人等の被害はほとんどなかった為、東側の警備に重きをおいていなかった事から東側への警備の拡充。

シュウはゴーリキ隊長、オーランド漁師団長に呼び出され、改めて今回の活躍を労われた。それと共に、また自身を危険に晒したことを咎められ、更に北壁警備への謹慎期間が増えた。


本来、生物としてのオタリアはレナトスの町の遥か南に生息している生物という程度でしか知られていなかった。

幻獣のオタリア達がなぜ現れたかどうかはだれも分からなかった。たまたま浜辺に来たとしかいえない。誰しも、自然災害という認識でいた。


日が経ち、徐々に被害があった場所の片づけも進んでいった。町に住まう人も、段々と落ち着きを取り戻していった。事件の記憶もいずれ時間が薄れていくだろう。


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